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「左ヒザ裏に痛み」でも…女子陸上・久保凛(17歳)が執念の2種目挑戦で“最後のインターハイ”にこだわったワケ「自分の責務を全うしようと…」
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和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2025/07/31 17:02
史上初となる高校総体800mでの3連覇を達成した久保凛(東大阪敬愛高)。世陸出場濃厚と言われる中で、高校最後の大舞台にも全力投球だった
昨年2年生ながら1500mと3000mの二冠を成し遂げたジャネット・ジェプコエチ(岡山・倉敷高)をはじめ、複数の留学生が出場。また、近畿地区予選で久保と激闘を演じた芦田和佳(京都・立命館宇治高)も、高校歴代3位の好記録を持つ。
最近は貧血に苦しんでいるが、ドルーリー朱瑛里(岡山・津山高)も中学時代にこの種目で全国を制した実力者だ。青学大で活躍する黒田朝日、然兄弟の妹の六花(宮城・仙台育英高)にも勢いがある。
800mでは無敵の久保でも、1500mでは簡単に勝たせてもらえるわけではなかった。
強力留学生と激しい優勝争いも…
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暑熱対策として全4組によるタイムレース決勝となった1500mは、資格記録(※都道府県大会と地区大会で出した記録の速い方)が速い選手が最終組に割り振られた。資格記録トップの久保も当然この組だ。
レースは連覇を目指したジェプコエチの強さが際立った。700mで先頭に立ったジェプコエチに久保も続いたが、ラスト1周で突き放された。最後はアカイ・メアリー(神奈川・白鵬女子高)と接戦を繰り広げたが、わずか0秒2届かず3位でフィニッシュした。
「優勝が一番の目標だったんですけど、頑張った結果が3位だったので、まあ、そこはしっかり受け止めようかなと思います。外国人選手の後ろについて、ハイペースな展開に挑戦しようと思っていました。ラストはすごいハイペースでしたが、そこにも食らいついて走ることができたのでまあいいかな。ラストは結構限界でした。自分のできることはやったと思います」
自己2番目となる4分11秒38で走り切り、レースを振り返る久保の表情はすっきりして見えた。

