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「左ヒザ裏に痛み」でも…女子陸上・久保凛(17歳)が執念の2種目挑戦で“最後のインターハイ”にこだわったワケ「自分の責務を全うしようと…」
posted2025/07/31 17:02
史上初となる高校総体800mでの3連覇を達成した久保凛(東大阪敬愛高)。世陸出場濃厚と言われる中で、高校最後の大舞台にも全力投球だった
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和田悟志Satoshi Wada
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Satoshi Wada
陸上・女子800mという種目で圧巻のパフォーマンスを続ける久保凛(大阪・東大阪大敬愛高)。1分59秒52の日本新記録で優勝した日本選手権の次戦となったのが、広島で開催されたインターハイだった。
「高校シーズン最後のインターハイとなるので、そこで総合優勝と、出るからにはやっぱり記録を目指して全力で取り組みたい」
シニア選手が相手でも国内無敵を誇り、今秋の東京世界選手権も見えているだけに、ついつい忘れがちになるが、久保はまだ17歳の高校3年生だ。日本選手権で連覇を果たした直後にこう決意を口にした通り、高校最後のインターハイには、いち高校生として全力で挑んだ。
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個人競技の陸上競技だが、インターハイでは学校対抗の優勝争いがある(※1位=8点、2位=7点……8位=1点と得点が付き、その総合点を争う)。
久保が通う東大阪大敬愛高は、かつて2014年から17年の4連覇を含め、7回の全国総合優勝を果たしている陸上の強豪校だ。しかし、2017年を最後に栄冠から遠ざかっている。昨年は久保の活躍もあって総合2位と健闘したが、惜しくも優勝には3点届かなかった。それだけに総合優勝は久保にとっても悲願。東京世界選手権が迫っていても、最後の夏にかける思いは強かった。
1500mにも挑戦…「高校最後の夏」への執念
今夏は、専門の800mの他に1500mでもインターハイに出場した。
実は、昨年も大阪府予選、近畿地区予選と800mと1500mの二冠を果たし、2種目で全国の切符を掴んでいたが、全国大会は800mに専念していた。最後の夏はこの2種目で全国二冠を目標に掲げた。
1500mでも、6月の近畿地区予選で高校歴代2位となる4分11秒07の好記録をマークしており、久保は優勝候補の一角に挙がっていた。
とはいえこの種目、なかなかの強者がそろう。

