久保凛の偉業で思い出す…同じ高校にいた9年前の“ある天才陸上少女”の記憶「インターハイは“5冠”狙い」「100mから800mまで優勝候補」

　今年7月15日、奈良・橿原公苑陸上競技場で行われた長距離強化記録会女子800mで、東大阪大敬愛高2年の久保凛が1分59秒93の日本記録をマーク。SNS上では、多くの陸上関係者がこの吉報に沸くなか、同じ高校の先輩でもある石塚晴子のポストが目に留まった。

《このニュース見た敬愛関係者全員「橿原の記録会で…？」ってなってる気がする笑　日本の800mの歴史を変える記録が、母校から生まれたことが超勝手に嬉しい！》

　敬愛関係者にとって、この橿原の記録会とはどのような位置づけのレースだったのだろうか。

「私たちからすると、橿原の記録会は練習の延長で出るものでした。かなりローカルな競技場なのでスクリーンやサブトラもなく、雰囲気的にも緊張しにくくて、逆に走りにくいみたいな（笑）。敬愛関係者は『あの吹きさらしの競技場で日本記録を出したのか！』と驚いているはずです。あそこで出せることにも久保さん、すごいなって思いますね」

東大阪大敬愛高時代に短中距離種目で活躍した石塚。現在は27歳になった　©Shigeki Yamamoto

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　久保の歴史的快挙に隠れているが、同じレースを走った4選手のうち、1人は高2歴代7位タイの2分05秒90をマーク。1年生2人は2分10秒台の自己記録をマークしている。しかし、それだけのタイムを持っていたとしても、インターハイ予選の学校代表3枠の当落線上にあるのだ。それだけ、敬愛の戦力が充実していることがうかがえる。

　そんな敬愛に石塚が入学したのは今から11年前の2013年春のことだった。

“天才陸上少女”はなぜ東大阪大敬愛へ？

　大阪・新池中で競技を始め、中学3年の全中女子200mで準決勝進出。400mでは同年中学ランク8位の59秒56をマークしている。中学時代はさほど目立つ選手ではなかったが、強豪を率いる指導者の目に留まるものがあったのだろう。敬愛に進学を決めたのは、同校の顧問（現部長）柿内貞宣氏の一言だったという。

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