「左ヒザ裏に痛み」でも…女子陸上・久保凛（17歳）が執念の2種目挑戦で“最後のインターハイ”にこだわったワケ「自分の責務を全うしようと…」 

　実はこのレース後、日本選手権が終わった後に左の膝裏を痛めていたことを明かした。

「走れないことはなかった」「順調にどんどん治ってきているので大丈夫」と大事ではないことを強調していたが、ポイント練習（負荷の高い重要な練習）を回避して、脚の状態を見ながら練習はジョグだけにしていたといい、万全な状態とは言えなかった。

左ヒザ裏に痛みも…「決めたことはやり切ろうと」

　第三者が勝手な心配をすれば、世界選手権を見据えて1500mを回避してもよかったのではと考えてしまうが、久保にはその選択肢はなかったという。

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「少し悩む部分もあったが、絶対に挑戦すると決めたので、決めたことはやり切ろうと思って、今回臨ませていただきました。総合優勝もかかっているので、ラストということもあって、自分の責務を全うしようと思って走りました。世界選手権まではまだ時間があったので、チームに貢献したいという気持ちがすごくあった」

　最後の夏に後悔を残さないための挑戦だった。1500mは優勝こそ逃したが、3位に入りチームに6点をもたらした。

　そして得意の800mでは予選を難なく通過し、決勝でもスタート直後から独走のレースを見せた。

この大会3本目のレースとなった800mでは圧勝も、さすがに疲労の色も見えた　©Satoshi Wada　

　1周目（400m）は59秒（主催の発表は「58秒25」）で通過。これは日本記録を打ち立てた日本選手権と同等のタイムで、序盤から後続を全く寄せ付けなかった。

　だが、これが1500mも合わせて3レース目。その疲労もあっただろう。加えて、午前中とはいえ、強い日差しが照り付け、気温はすでに33度を超えていた。2周目に入ると、伸びを欠いた。

「走る前にだいたいタイムが出る時の感覚が分かるようになってきて、今日はあまり良くなかったので、タイムは厳しいかなと思っていました。1周目は自分で考えた通りに走ることができたんですけど、2周目で動かなくなるだろうなっていうのは、走る前に分かっていた。案の定動かなくなってしまったんですけど、それも経験かなと思います」

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