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「ぜひ皆さんやって頂きたい(笑)」陸上800mで“衝撃の日本新記録”…17歳・久保凛がレース後に見せた「テレビには映らない」“本当の強さ”の正体

posted2025/07/06 17:02

 
「ぜひ皆さんやって頂きたい(笑)」陸上800mで“衝撃の日本新記録”…17歳・久保凛がレース後に見せた「テレビには映らない」“本当の強さ”の正体<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

日本選手権の女子800mで自身2度目の2分切りとなる日本新記録をマークして連覇を達成した17歳の久保凛。国内では敵なしだが、その強さの秘密は…?

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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Nanae Suzuki

「完勝」「圧勝」と呼ぶにふさわしい見事な勝ちっぷりだった。

 日本選手権という大舞台で、久保凛(東大阪大敬愛高)は独走で連覇を果たした。塩見綾乃(岩谷産業)ら実力者を全く寄せ付けずに、2位に4秒以上の大差を付ける圧勝劇。しかも、自身がもつ記録を0秒41更新し、1分59秒52の日本新記録を打ち立てた。

「前半から自分のレースをして、全部自分で行こうって考えていて、そんなレースができてとても良かったです。自己ベストを出せて、納得のいく走りができました」

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 目標としていた今秋の東京世界選手権の参加標準記録(1分59秒00)を突破できなかったことは「悔しかった」と言うが、久保自身にとっても満足のいくレースで、2年連続で日本一の称号を手にした。

 それにしても、スランプとは無縁なのかと思えるほど、女子800mという種目において久保の強さが際立つ。

日本人には「2年間以上」無敗

 高校2年生だった昨シーズンは、あれよあれよという間に日本一まで上り詰めた。日本選手権の決勝でマークした2分3秒13は当時の自己記録。そして、その15日後にはさらに3秒以上更新し、日本人として初めて2分の壁を破り1分59秒93の日本新記録を打ち立てた。飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長を見せた。

 また、調べた限りでは久保が日本人に敗れたのは高1の4月まで遡り、以降は国内で無敵を誇っている。

 外国人選手相手には涙を飲んだことがあったが、昨年8月のU20世界選手権は、日本勢の過去最高順位タイとなる6位入賞の快挙。今年5月の木南記念は2分2秒29で2位、アジア選手権も2分0秒42で2位となり、大粒の涙を見せたが、いずれも久保が登場する以前の高校記録(2分2秒57)を上回るタイムなのだ。冷静に振り返れば、自身は納得いかずとも、決して凡レースではない。

【次ページ】 日本王者として臨む今シーズン…重圧も

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