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全美貞「戦うことよりも生活するように。途切れぬシードと600戦出場の境地」
posted2025/08/04 09:00
text by

雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Takuya Sugiyama
最初の記憶はプレーそのものよりも冷たい北風と吐く息の白さだった。
「とにかくすごく寒かったので忘れられないんです」
もう20年も前のこと。2005年の国内女子ツアー開幕戦は異常な寒さに見舞われた。3月の沖縄開催でありながら、気温は10℃を下回り、凍えるギャラリーのために急遽カイロが売り出されたほどだった。ツアールーキーの全美貞はデビュー戦で27位。それが長く続く日本ツアーでの第一歩となった。
中学時代はインラインスケートをしており、ゴルフを始めたのは15歳と遅かった。だが、車輪付きのシューズでアリーナを滑走する以上に、芝を踏みしめてクラブを振る才能があった。わずか4年で韓国のプロテストに合格し、キャリアアップしていく中で自然と視界に入ってきたのが日本だった。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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