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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
「天才ですから、彼は」武居由樹29歳が“本気で語った”ライバル那須川天心「次もかなり進化する…怖いですね」「テーマは天心戦。そこはブレてない」
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渋谷淳Jun Shibuya
photograph byNumber Web
posted2025/07/29 11:03
真剣な表情で那須川天心について語るWBO世界バンタム級王者の武居由樹
5月の試合でKOを生み出した左フックはいままでにない必殺ブローで、武居は大いに手ごたえを感じることができた。もう一つ、習得したいのが左アッパーだ。こちらはまだ練習でいい感覚をつかみきれていないようだが、マスターすれば左フックのように新しい武器になることだろう。
武居由樹がイメージする「楽しい未来」とは?
いずれにせよ9月14日の試合をクリアすれば、待望の那須川戦に大きく前進することは間違いない。武居と那須川がリングの上で対峙する。想像するだけでワクワクするではないか。繰り返し言うが、それを一番心待ちにしているのは武居である。
「K-1時代に大舞台でプレッシャーを感じて力んでしまったことはあります。ただ、天心戦に関しては開き直れそうな気がするんです。天心くんのほうがプレッシャーを感じる? どうですかね。ただ、彼は空気を作るのが本当にうまいですから。そこだけは気を付けたい。キック時代からずっとイメージしてますからね。それがたまたまボクシングの舞台になるというだけです」
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来るべき日のシミュレーションはできている。そしてその先、ライバルひしめく激闘のバンタム級でトップに立つという欲も生まれてきた。現在、このクラスの第一人者は何と言っても中谷であり、武居は2番手、3番手のチャンピオンと見られている
「自分もチャンピオンなのでこうしてランク付けされるのは悔しいという思いはあります。でも、バンタム級はやることがいっぱいあって楽しい。たぶん(井上)拓真さんも燃えていると思いますし。自分はこの試合をクリアできたなら楽しい未来が待っていると感じているんです」
武居由樹、29歳。すでに世界チャンピオンになった元キックボクサーはボクシング転向5年目を迎え、さらに燃え上がるような勝負に身を投じようとしている。
<前編とあわせてお読みください>

