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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
世界王者・武居由樹の覚醒「あの衝撃KO防衛」本人に聞いた“意外なウラ側”…次戦も難敵“那須川天心のスパー相手”メディナは「見れば見るほど強い」
posted2025/07/29 11:02
WBO世界バンタム級王者の武居由樹(29歳)。5月の防衛戦ではユッタポン・トンディをわずか127秒で一蹴した
text by

渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Hiroaki Finito Yamaguchi
WBOバンタム級チャンピオンの武居由樹(大橋)が9月14日、名古屋市のIGアリーナで指名挑戦者のクリスチャン・メディナ(メキシコ)と3度目の防衛戦を行う。キックボクシングのK-1王者からボクシングに転向して4年半。ボクシングの世界王者となった武居は今、さらに高いステージへのステップアップを虎視眈々と狙っている。目前に控えるメディナ戦、待望の那須川天心(帝拳)戦、さらには激動のバンタム級戦線まで、勝負の時を迎える王者が大いに語った。(全2回の1回目/後編へ)
挑戦者メディナを警戒「見れば見るほど強い」
武居が大一番を迎えようとしている。9月のイベントは7月にオープンした名古屋地区の大会場、IGアリーナ初のボクシング興行であり、井上尚弥(大橋)のスーパーバンタム級4団体王座防衛戦をメインに据えたビッグイベントだ。井上が迎え撃つのは最強の挑戦者と言われる元王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)。緊迫したイベントのセミを武居は託された。
その武居も今回は手ごわいチャレンジャーを迎える。メディナの戦績は29戦25勝(18KO)4敗。2023年8月に来日し、IBFバンタム級挑戦者決定戦でのちに王者となる西田凌佑(六島)に判定負けしたが、その後は4連続KO勝ち。好戦的なメキシカンであり、那須川のスパーリングパートナーを務めたことでも知られている。
武居のメディナ評は極めて高い。
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「強いですね。見れば見るほど強いなと感じる。どうなるか分からないけどガンガン前に出てくるし、打たれ強さもパワーもありそう。(メディナが武居と同じサウスポー西田の技巧に封じられた試合は)参考にしてはいますけど、ああいうふうに自分ができるかといえばできない。いつも通り自分の持ち味をぶつけようかなと思います」
強打が自慢の王者は挑戦者と「打ち合いたい」と言う。距離を詰めたいメディナの土俵で戦うのは危険なのではないのか。そう問うと武居は次のように答えた。

