「天才ですから、彼は」武居由樹29歳が“本気で語った”ライバル那須川天心「次もかなり進化する…怖いですね」「テーマは天心戦。そこはブレてない」

「もう一つベルトが欲しい」発言で意識していたのは…

　どちらかと言えば自己主張を慎むタイプの武居だというのに、このところは耳目を引く発言が目立つようになってきた。たとえば5月の防衛戦後、リング上で「そろそろもう一つ別のベルトが欲しくなってきた」とアピール。7月のV3戦発表会見では「緑のベルトが欲しい」と言葉にした。

　また6月に行われ、中谷潤人（M.T）が西田凌佑（六島）に勝利した2団体統一戦では、WBA王者の堤聖也（角海老宝石）とともにゲスト解説を務め、武居と堤が統一戦で激突する話でも盛り上がった。

武居由樹、堤聖也が見つめるなか、WBC・IBF統一王者となった中谷潤人　©Takuya Sugiyama

　それぞれ指名防衛戦を控える武居と堤の統一戦はひとまずおき、「緑のベルト」発言は注目を集めた。緑と言えばWBCであり、現バンタム級王者は中谷だ。では武居が現在はIBF王座も保持する中谷との対戦を第一に希望しているかと言えば必ずしもそうではない。

ADVERTISEMENT

「緑のベルトというのは純粋にかっこいいと思っていて、（昨年5月の）すみだボクシング祭りで八重樫さんと対談したときにも話しているんです。中谷選手とはもちろんやりたくないことはない。ただ、5月の試合後に『もう一つ別のベルト』と言ったのは天心くんのことです。あのときは中継で堤選手が映像で抜かれたんですけど、僕の意識は天心くんでした」

　那須川は現在、バンタム級の世界4団体で上位にランクされており、中でもWBCは1位につけている。王者の中谷は今、スーパーバンタム級に上げて来春に井上尚弥（大橋）に挑むプランが進行している。となれば那須川が空位となるWBC王座の決定戦に出場する可能性は高い。それを見越しての発言というわけだ。

【次ページ】　那須川天心への本音「やっぱり天才ですから、彼は」