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「史上初48カ国出場のW杯」グループ次第で32強での対戦可能性はなんと“最大40カ国”…日本代表の秘策「東大・筑波大情報分析チーム」って?
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佐藤景Kei Sato
photograph byGetty Images
posted2025/07/23 17:51
2026年の北中米W杯は48カ国が出場し、決勝トーナメントが32強から始まるため、組み合わせの数は膨大になり、対戦可能性がある「分析対象チーム」の数もグループによって大きく異なる
495通りもの決勝トーナメント進出パターン
「12グループの3位のうち成績上位の8チームがラウンド32に進みますが、そのパターンは495通りもあります。グループによって1位と2位が対戦するケースもあれば、1位と3位が対戦する場合もある。そのためにグループステージ突破後の戦いに対する準備は、より複雑なものになった。グループが決まる年末のドロー(抽選)を待っていては遅い。あらゆることを想定して、動けるところはしっかり動いておかなければなりません」
ラウンド32の対戦カードの決定過程は、確かに山本NDが指摘した通り複雑だ。ここで改めて確認してみたい。
3位抜けと当たるグループと、2位抜けと当たるグループがある
すでに発表されている大会スケジュールでは、AからLまでの12グループのうち、『C、F、H、J』の4グループについては1位が他グループの2位と対戦し、2位は他グループの1位と対戦することになっている。その他の8グループは、1位は3位と、2位は2位と対戦する。つまり、前述の4グループは1位で突破してもメリットが少ないかもしれない。強豪国(=2位)と当たる可能性が高くなるからだ。
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この4グループ以外、例えばグループAなら、1位は「C、E、F、H、I」いずれかのグループの3位と対戦する。グループ突破の順位がトーナメントの勝ち上がりを約束するわけではないものの、それでも普通に考えるなら、2位抜けのチームよりも3位抜けの方が力は劣るもの。勝ち上がるためには有利と言える。やはり1位で抜けて他グループの3位と対戦する方がベターだろう。北中米大会では、このように所属するグループによって『格差』が生じるのだ。
ただし、分析の『労力』という点にフォーカスすると、また別の見方が出てくる。1位抜けが3位と対戦するグループがベターとは単純に言い切れなくなる。3位とラウンド32で対戦する場合、分析すべき対象国の数が格段に増えるからだ。例を挙げながら説明したい。


