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阪神タイガース暗黒時代は“ゼニ勘定優先”「弱くてもお客さんは甲子園に来る」「たとえば契約更改…上から目線で」江本孟紀が見た“スーツ組” 

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江本孟紀

江本孟紀Takenori Emoto

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posted2025/07/21 06:01

阪神タイガース暗黒時代は“ゼニ勘定優先”「弱くてもお客さんは甲子園に来る」「たとえば契約更改…上から目線で」江本孟紀が見た“スーツ組”<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

今も昔も盛況な阪神の本拠地・甲子園球場だが……江本孟紀氏が見た“当時の球団経営スタイル”とは

 監督5年間のうち、Aクラス2度(1985年の1位、1986年の3位)、Bクラス3度(1997年の5位、1987、1998年の6位)であるにもかかわらず、観客動員数だけを見れば200万人超えを4度も果たしている。しかも、1998年は198万人だったことを考えると、実質は200万人だったといっても過言ではない。

 つまり、阪神の上層部、いわゆるスーツ組は、「勝ち負けよりお客さんを呼び込める人」、すなわち甲子園球場内も含めてゼニを置いていってくれるお客さんさえいてくれればそれでいいと考えていたフシがある。ゼニ勘定しかしていない球団で「チームを勝たせてほしい」と言われたところで、現場のユニホーム組は「本音はそうじゃないでしょう」と、ただただ白けるだけだ。

“ゼニ勘定優先”という球団経営の方針

 スーツ組の微妙な温度差は選手にも伝わってしまう。たとえば契約更改。選手は公明正大に話をしたいと思っているにもかかわらず、スーツ組はいつも上から目線で「これでどうや」と来る。少しでも拒もうとするものなら、「お前の価値なんて、この程度のものや!」と恫喝まがいの言い方をする者が上層部の人間にいたとも聞く。代理人をつけて契約更改に臨もうとする者まで現れたが、まともな交渉ができないのだから、これはこれでいたしかたのないことなのである(※江本氏の体験談は第7回に掲載)。

 チームの強化より観客を増やすこと、すなわちゼニ勘定優先の球団経営の方針が、この時代に完成されたのである。つづく

#7に続く
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