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ラグビーPRESSBACK NUMBER
「救護対応が多かったのは事実」強豪ウェールズ撃破も…酷暑の“14時キックオフ”はアリなのか? それでもラグビー日本代表が見せた「強いチームの条件」
text by

大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/07/12 11:04
12年ぶりに強豪・ウエールズを破ったラグビー日本代表のエディー・ジョーンズHC。キックオフが酷暑の14時となったことも勝因だった?
7月2日に豊田スタジアムに2万4570人、9日に国立競技場に5万7011人の観客が集まった。
そのときに比べれば、今回のミクスタはキャパが小さく来場者は1万3487人。分母が小さかった分、実数は少なかったというわけだが……そんな釈明をしている場合じゃないんじゃないか。
「ワールドラグビーのガイドラインに沿っている」という言葉も万が一のときの責任逃れに聞こえてしまう。現代の気候変動、地球温暖化のもとでは、常に想定外、観測史上例のない異常気象が生じている。重大事故がなかったから良しとするのではなく、協会としてはより安全な競技環境と観戦環境を整えてほしい。
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リミットいっぱいで運用していては、わずかな気象変動に対応できなくなる。車の運転だって、常に制限速度いっぱいで走っていたら事故ばかり起こしてしまう。
「過酷な環境」でも勝ち切る強さ
一方で、戦う当事者には、過酷な環境でも勝ち切る強さが求められるのも事実だ。矛盾しているといわれそうだが、勝負のかかる戦場は、常に矛盾にさらされている。
そもそもラグビーにおける7月の国際試合シーズンは南半球での開催を想定している。北半球(=欧州)では11月に、ニュージーランドや南アフリカなど南半球では7月に、南北交流の国際試合を行っている。日本は北半球に位置するが、世界ラグビーでは北半球イコール欧州を意味し、それ以外はすべて南半球側に組み込まれている。

