「救護対応が多かったのは事実」強豪ウェールズ撃破も…酷暑の“14時キックオフ”はアリなのか？ それでもラグビー日本代表が見せた「強いチームの条件」 

　それは米国やカナダも同様だ。南半球じゃないよと苦情を言っても始まらない。日本は（仮にナイターで開催したとしても）高温多湿の条件下で試合をするのが宿命であり、その条件下で強くならなければならない。

　エディー・ジョーンズHCは10日に行われた第2戦に向けたオンライン会見で「我々が寒いイングランドやウェールズへ行ってもヒーターをつけてもらえるわけじゃない。異なる土地へ行ったときはその環境でプレーしなければいけない。それはラグビーの醍醐味だ」と話した。逆の立場なら、気象条件を言い訳にするなと言われるだろう。真に強いチームは過酷な環境でも強い。

「異なる土地へ行ったときはその環境でプレーしなければいけない」と語ったエディー　©︎Kiichi Matsumoto

　その意味で、北九州でウェールズを破った日本代表は間違いなく強かった。

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　象徴がそろって80分フル出場を果たしたFW第1列トリオだ。スクラムでは最前列で相手の8人と押し合い、ラインアウトでは味方を高く持ち上げ、ボールが動けばほかの選手と変わらずピッチを走り回ってタックルし、密集でボールを確保し、休む間もなく動き回る。

フロントロー3人が「まさかのフル出場」

　ラグビーで最も過酷と言われるほど消耗の激しいポジション。それゆえ、現代では途中でリザーブ選手と交代するのが常識だ。フロントロートリオが3人揃って80分フル出場するのは極めて異例だ。

「スクラムは相手を圧倒していた。なぜ変える必要がある？」

　日本のエディーHCは、フロントローを交代させなかった理由を聞かれてそう答えたが、この用兵は選手自身にも想定外だったようだ。

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