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バレーボールPRESSBACK NUMBER
「あんなに上手い人、見たことない」仲間たちが“天才”と認める女子バレー林琴奈(25歳)は日本代表に戻るのか?「パリ五輪後は“引退”もよぎった」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2025/07/11 11:03
インタビューに応じてくれた林琴奈(25歳、大阪マーヴェラス)。すでに新シーズンに向けた準備をスタートさせていた
完璧を求める自分と、外からの期待とプレッシャーを背負い続ける中で、知らず知らずのうちに疲弊していたのかもしれない。
「私、そんなに長くバレーをやろうと思っていませんでした。他にやりたいことがあるわけじゃないけど、『あーもうしんどいな』『疲れたからもう長くはできへんな』とずっと考えていました。まだ続けているのが不思議なぐらいです(苦笑)」
パリ五輪後は、現役を終えることも頭をよぎったという。
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「お母さんにも『もう私、今年までかな』と言ったりしていました。まあ、たぶんまだやるだろうなとは思っていましたけど(苦笑)」
そんな林の心境に、昨シーズン(2024-25シーズン)、変化があった。
大阪マーヴェラス(大阪MV)はSVリーグ初代女王に輝き、優勝を決めた直後の記者会見で、林はこう語った。
「やっぱりバレーを楽しむというのは大事なことだなと、改めて感じました」
林の口から「バレーを楽しむ」という言葉を聞いたのは初めてだったかもしれない。
「バレーボールを楽しむ」の真意
インタビューで改めてその心境の変化について聞いた。
「やっぱり『勝たなきゃ』という精神でやっている時って、自分の中で『バレーするのしんどいな』という気持ちにもなりましたし、プレーもうまくいかなかった。硬くなって、いつもできていることができないということが去年も結構ありました。だからそういうのを一回捨てて、もうちょっとバレーを楽しんでやってみようかと。考えすぎてしんどい、楽しくないという状態じゃあ、やっていてもあまり意味ないなとか、しんどそうにやっている姿をファンの人が見てもやっぱり楽しくないだろうなと思って」


