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「あんなに上手い人、見たことない」仲間たちが“天才”と認める女子バレー林琴奈(25歳)は日本代表に戻るのか?「パリ五輪後は“引退”もよぎった」
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2025/07/11 11:03
インタビューに応じてくれた林琴奈(25歳、大阪マーヴェラス)。すでに新シーズンに向けた準備をスタートさせていた
6月4日に開幕したネーションズリーグの話題になると、「見てます見てます。いちファンみたいになって見ています」と声のトーンが一段上がった。
「今のプレーすごい!とか、頑張れ!とか思いながら見ています。みんな知っているメンバーだし、去年苦しんだ分、頑張って欲しいってすごく思うので。セナ(関)とか、それまでスタメンで入っていたけど、去年は急に(控えに)変わって苦しんだと思う。でも今年は見ていてすごく伸び伸びやっているので嬉しいですし、頑張って欲しい。同級生ですし。みんな、いい感じだなと思います。表情にも硬さがなくなって。
マユ(石川真佑)もキャプテンになって、ちょっとだけ心配だったんですけど、顔つきがすごく変わっていてすごいなと思った。同学年とか、近い年代の人が増えたからしゃべりやすいのかな。よかったです。あーなんか、お母さん目線になっちゃった(笑)」
日本代表に戻る可能性はある?
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林自身も6月、大阪MVで新シーズンをスタートさせた。今夏のテーマを、こう語る。
「ちょっとジャンプ力を上げたいですね。あまりジャンプ力がないほうで、手だけで打っているみたいなところがあるから。それに、難しいハイボールを打つ練習とか、ちょっとパス(サーブレシーブ)が割れた時のスパイクの決め方とか、そういうのはみんなを見て、学んでいきたいなと思います」
来年以降、日本代表に戻る可能性はあるのだろうか。
「それはまだわからないですね。まず呼ばれるかどうかわからないですし、その時の気持ち次第ですね。今は自分のできることを頑張ろうかなと。それでうまくなって、行ける気持ちになったら行けばいい、という感じですかね」
五輪に2度出場し、国内リーグでも3度優勝を経験している林に、現役選手のうちにやり遂げたいことは? と聞くと――。
「うーん、なんだろう……。いろんな人とコミュニケーションを取って、社会に出ても、人に対しての接し方だとか、そういうところがちゃんとできるようになっていたいですね。単にバレーだけうまければいいとか、バレーだけしている人で終わりたくない。人として頼ってもらえたり、尊敬されるような人になりたいです」
それはすでに持ち合わせているだろう。だから日本代表のフェルハト・アクバシュ監督も林をチームの中心にと望んだのではないか。
そこは大丈夫では? と伝えると、「いやいや、まだまだです」という答えが返ってきた。
やはり自分に厳しい。それが林琴奈なのだろう。
〈全2回/前編から続く〉


