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「ボコボコにされ、バスから転げ落ちて…」全女で“本当にあった”壮絶なイジメ…堀田祐美子が今明かす「喧嘩マッチをけしかけた“まさかの黒幕”」
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伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byL)Shiro Miyake、R)東京スポーツ新聞社
posted2025/07/31 11:03
女子プロレスラーの堀田祐美子が明かす、壮絶な新人時代(インタビュー第1回)
まさか…“喧嘩マッチ”をけしかけていた黒幕
――山崎先生はおそらく裏事情を知らないでしょうから、分析が的を射ていませんが。気になるのは、そういう選手間の裏事情を団体はどの程度把握していたのか、ということ。
堀田 というか、会社がけしかけることもあるんだよ。これも有名だけど、試合前に「あいつがおまえの悪口言ってたぞ」ってその日に当たる相手を焚きつけるの。私もされたよ。けしかけるのは(松永高司)会長、決まって。全女のなかの先輩・後輩だけじゃなくて、団体対抗戦のときは他団体にも焚きつけてたね。こういうことがあったの。試合前には後輩が先輩の控室にかならず行って、「今日はよろしくお願いします」ってあいさつするのね。そのときは、「がんばってね。思いっきり向かってきていいよ。そのほうが私の気持ちも高まるから」って言ってもらえて、「はい! がんばります!」みたいな。けど、リングに入ったら「あれ、なんか違う……」って。
――控室の先輩が見せていた快活さが微塵もなかったと。
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堀田 そうなの。ゴング前の握手のときに、「てめぇ、覚えとけよ。コノヤロー」って小声で(ささやかれた)。「えっ、ちょっと待って。この短いあいだに何があったの?」って。誰かが何かを吹き込んでるに違いないんだけど、先輩には聞けない。タッグマッチだったんだけど、エプロンから(リングに)引きずり込まれたら、もうボッコボコにやられた。一方的にやられて終わり、みたいな。
――ちょっと話がそれますが、Netflixシリーズ「極悪女王」のワンシーンで、創設者の松永兄弟(高司、国松、俊国)が選手の勝敗で博打をしていましたが、あれは事実だって知っていますよね?
堀田 うん。知ってる。クラッシュ・ギャルズよりもっと前の世代でしょ。
――言いにくいですが、OGの方々の意見を総合すると、堀田選手の時代にもありまして……。
堀田 えーっ、ここでも!? マジ? 知らなかった。あっ、だから、けしかけてたんだーっ! 自分たち(=松永一族)が賭けた選手が勝ってほしいから、っていうことか。いやー、怖いね。「極悪女王」だけだと思ってた。恐ろしくない? やっぱ、全女だわ(しみじみ)。
◆
松永一族のずさんな経営管理体制が行き着いた先が、全女の倒産だった。続く第2回では、堀田の1000万円事件と倒産の日の真実が明かされる。《インタビュー第2回に続く》
