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「ボコボコにされ、バスから転げ落ちて…」全女で“本当にあった”壮絶なイジメ…堀田祐美子が今明かす「喧嘩マッチをけしかけた“まさかの黒幕”」
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伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byL)Shiro Miyake、R)東京スポーツ新聞社
posted2025/07/31 11:03
女子プロレスラーの堀田祐美子が明かす、壮絶な新人時代(インタビュー第1回)
堀田 そしたら、化粧を落としながら「3回はチャンスやってんだよ。〇〇(ある選手名)、やっちゃって」って言われた瞬間、前蹴りからパンチからがもうもうもう……。ボコボコにされて、バスから転げ落ちて、外に出ちゃった。でも、腫れたり鼻血が出るぐらいで終わるから、(顔を)隠しながらトイレに行って、洗うっていう。
――洗っても、顔の腫れは引かないでしょう。
堀田 腫れるっていっても、そのときは赤くなるぐらい。当たりどころが悪かったら、目が腫れることもあるけど、そこまでではなかった。よくあったのは、控室やトイレに血が落ちてたり、付いてたりとかで、「あー、誰かが殴られたんだなぁ」みたいな。あの子がやられたらしい、みたいな情報は入ってきてました。
いじめにも「自分たちが悪い」と思っていた
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――全女のいじめは一部選手やOGが口にしていますが、理由が矛盾していると思うんですが。
堀田 でも、実際に(新人時代は)できてなかったから、殴られながら叱られながら成長していく、そう思ってたんで、やられても自分たちが悪い、できないんだから仕方ないよねっていう。部活でもね、私たちの時代は殴られてきたので、殴られるってことがなんとも思わなかった。試合でもさ、巡業が長いとみんなすごくストレスが溜まっちゃうんで、イライラするわけ。あのころは1カ月の長旅が当たり前だったので、長くなるとね、怒られる怒られる! 例えば親でも気分が悪かったりすると子どもに当たったり、学校の先生にしても、大人の身勝手で生徒を叱ることがあるから、まぁ、人間なら仕方がないかなって。
――虫の居所が悪い大人に子どもが振り回されることはありますけど、全女はちょっと次元が違うような。
堀田 覚えてるのがね、デビューした次の年。1カ月の巡業の最後のほうで、私と北斗(晶/当時は宇野久子)がそれぞれ先輩と組んだタッグマッチで、先輩2人がリングに出た瞬間に雰囲気が普通じゃないというか、ケンカしてるってわかるわけ。かと思えば、もう(試合を)やんないって放棄して、すぐチェンジにくるの。私は、「えっ? はっ?」みたいな。けど、(敵チームの)先輩は「なんだ、あいつ。よし、わかった。やってやるよ」ってすぐに頭を切り替えたんだろうね、私がボッコボコになるわけ。

