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「ボコボコにされ、バスから転げ落ちて…」全女で“本当にあった”壮絶なイジメ…堀田祐美子が今明かす「喧嘩マッチをけしかけた“まさかの黒幕”」
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伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byL)Shiro Miyake、R)東京スポーツ新聞社
posted2025/07/31 11:03
女子プロレスラーの堀田祐美子が明かす、壮絶な新人時代(インタビュー第1回)
泣きながら「大丈夫です」ってごまかしたけど…
――試合中、ようするに業務上の“ボッコボコ”だから、それは理不尽ではないか。
堀田 「立て!」って言われたから立ち上がったら、バーンって顔面をやられて、グーパンチも何度も。このままじゃ危ないと思ったから、しゃがんで起き上がらなかったら、「なに寝てんだ!」って怒鳴られて、その体勢で顔面をバーン! 寝て起きて、立ったらバーンの繰り返しで、最終的に目が開かなくなっちゃったの。ボクサーみたいに目が腫れあがっちゃって、指先でまぶたを上げないと、見えないようになったのね。
――そうなるともう、トイレの洗面台で顔を洗っても無理ですよ。
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堀田 そう、そう。そんな感じで、試合が終わりました。片づけをやります。そんな顔じゃん。隠そうとしても髪の毛が短いから、隠しようがないし、しかも両目だし。ちこさんに見つかって、「誰にやられたんだ?」って聞かれても、言えないからさ……泣きながら「大丈夫です」ってごまかしたんだけど。その日の夜にホテルの部屋の電話が鳴って、「お疲れさまです。新人の堀田です」って出たら、「〇〇(該当する先輩)だけど。ごめん」って、ガチャッと切れた。怖~い! 誰が言ったんだよって思ったけど、試合中に(顔面が)変わっていってるからわかるよね、っていう。
――たしかに一目瞭然。
堀田 翌日は、全日本ジュニアのタイトルマッチで石黒泰子に挑戦する日だったんだけど、さらに目がふさがっちゃって、もう見えないわけ。雑用とかのときに先輩に、「(指先でまぶたを上げながら)すいませんでした」って言っても、「先輩に向かってなに、その態度」って怒られて、そのまま(前髪を上げて)顔を見せたら、「あっ、そういうことね」って。試合中もずっと指で目を開けてたら、山崎照朝先生が、あのころはまだ女子プロも書く記者だったんだけど、「あんな顔でタイトルマッチをやってかわいそうだった。それも勝負の世界だ」みたいなことを書かれたんだよね。

