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「ボコボコにされ、バスから転げ落ちて…」全女で“本当にあった”壮絶なイジメ…堀田祐美子が今明かす「喧嘩マッチをけしかけた“まさかの黒幕”」
posted2025/07/31 11:03
女子プロレスラーの堀田祐美子が明かす、壮絶な新人時代(インタビュー第1回)
text by

伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph by
L)Shiro Miyake、R)東京スポーツ新聞社
堀田祐美子が全日本女子プロレス興業(以下、全女)に入団したのは1985年。今年がデビュー40周年だ。ジャガー横田やダンプ松本、長与千種が先輩にあたるが、一度も引退することなく現役を続行している最長記録保持者。さらに、18年間も全女に所属した最長記録も持っている。
“最狂の女子プロレス団体”全女が解散して、今年でちょうど20年。すべてを語り尽くすことができるのは堀田、ただひとりといっても過言ではない。
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「ボコボコにされて、バスから転げ落ちて…」
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堀田 もともとは、プロレスをやりたい人じゃないんですよ。父がごはんを食べながら、テレビで(中継番組を)見てるのが嫌でしょうがなかったぐらい。変わったのはね、長与千種。高校3年生の試験勉強のとき、化け物みたいなでかい人に立ち向かって、やられてやられて勝ったっていう“その人”をテレビで見て、夢中になっちゃった。
――入団直後、ひとめぼれした千種さんの付き人になれましたよね。1985年はクラッシュ・ギャルズがトップアイドルだったので、ド新人が側近になったことによって嫉妬されたのではないかと思いますが。
堀田 あれが嫉妬かわからないけど……。たとえば、(移動用の大型)バスから会場に入るときも出るときも、ちこさん(長与)の周りにはファンがウワーッて集まってくるから、私は常にガードして、試合後だったらバスまで送り届けてから、新人の仕事に戻るんだけど、もうそのころには紙テープぐらいしか残ってない。(鉄柱撤去などの)重い仕事が終わっちゃってるから、先輩は気に食わなかったと思う。どっかの地方でね、体育館のなかにバスが入れる産業体育館の展示場みたいなところで、ある先輩から「みんな、早く帰りたいんだよね。これから3回注意するから、遅かった人はバスまで来て」って言われて、(後輩たちは)「はい!」って。その先輩は、バスの窓から見下ろして、監視してんのね。私は急いで仕事してるつもりなんだけど、「祐美ちゃん、1回目。あと2回だから気をつけて」って早々に目をつけられて、走る。なのに、「はい、2回目だよ。気をつけて、あと1回だよ」って。そのあと偶然取材の人から「プヨプヨ!」(愛称)って呼び止められて、パッと振り向いた瞬間に、(その先輩から)「いま止まったよね? はい、バスに来て」って。
――恐ろしい予感が。
