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「松永一族は最悪で最低だったけど…」選手会長だった堀田祐美子がすべて激白“全女のカネ”問題…今年プロレス40周年で“現役を続ける理由”
posted2025/07/31 11:05
堀田祐美子が今明かす、全女の実態と愛情(インタビュー第3回)
text by

伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph by
Shiro Miyake
堀田祐美子が全日本女子プロレス興業(以下、全女)所属時代にこうむった累計損失額は1500万円以上。ファイトマネーの未払いも含めると、正確な数字はもはやわからない。それでも、退団から22年たったいまは「感謝」の気持ちがあるという。
◆◆◆
全女社長の誘い「投資しない? あとで儲かるよ」
堀田 社長(松永国松)が、自分はお金がないから私に「投資しない? あとで儲かるよ」って話を持ちかけてきたわけ。それでお金を出して、ちょっとしてから「そういえばあのお金、どうなりました?」って聞いたら、「その人と連絡が取れないんだよ。飛んじゃった」みたいなことを言われて、パーになっちゃった。ふざけんじゃねぇよって思ったけど、向こう(社長)も切羽詰まってるからさ、引き出せるところから引き出そうみたいなところがあったのかな。
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――その確認はしていない?
堀田 うん。わかんない。状況も見えないまま戻ってこなかったから、社長が自分の生活費の足しにしてたかもしれないけど、まぁ、それはそれで。そういう人たちだからさ、私のなかでは仕方ないなぁみたいな。時期でいうと倒産のちょっと前で、全女がほんとうに危いなっていうころだったから、社長は一攫千金を狙ったのかな、人のお金で。ダメじゃんね(笑)。そのあとだね、1000万は。
――堀田選手の気前が良すぎるというか、無頓着すぎるというか。
堀田 たしかに、お金にかんしては欲がなかった。住んでるとこも、(家賃が)高くはなかったしね。タイトルマッチをやっても、「こんだけ?」みたいな額だったよ。プラス10万円とか5万円とか、そんなもん。もっと欲しい、もっとちょうだいよって思ったよ。「あんだけ(客が)入ってるのに、これだけ?」って。少ないよね?
――少ないです。
堀田 未払いもあったしね。倒産する前からもう火の車だったんで日払いで、月に15から20試合はあったから、私はなんとか生活できました。一銭ももらえないってことはないけど、止まったときはあった。そのときは貯金を切り崩したり、友達に助けてもらったり、金融会社に借りたりもした。月に一度の給料としてもらったのって、いつが最後だったんだろうなぁ。もう記憶にないぐらい、私のなかでは日払いのイメージのほうが強いな。

