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協会離脱の白鵬が提案…「相撲グランドスラム」構想って実現可能? 世界で活躍“元力士”実業家のリアル評「可能性は十二分…でも怖さもある」 

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別府響

別府響Hibiki Beppu

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posted2025/07/02 17:00

協会離脱の白鵬が提案…「相撲グランドスラム」構想って実現可能? 世界で活躍“元力士”実業家のリアル評「可能性は十二分…でも怖さもある」<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU

相撲協会からの退職を発表した白鵬。今後は世界を舞台に相撲を広める「相撲グランドスラム」構想を進めていくという

 しかもその「分かりやすい文化」の象徴でもある元横綱がその顔役となって進めるプロジェクトであれば、「いろいろな可能性が考えられる」と田代さんは言う。

「世界から見た相撲って、とにかくわかりやすいんですよ。一発勝負で1対1で戦って、ある程度のルールはあるにしても、土俵の外に出すか、地面につけたら終わりっていうシンプルなルール。こんなわかりやすいスポーツ、なかなかないわけです」

 世界を相手にしたときに、初見での分かりやすさというのは非常に重要だ。

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 その点、相撲のシンプルさは大きな武器になる。新規のファンでもすぐに盛り上がることができるし、その迫力を間近で感じれば衝撃も大きい。他の格闘技以上に一試合の時間も少なく、“タイパ”も非常に良い。

 となれば、必然的に「マネタイズの可能性も十分にあるのではないか」と田代さんは言う。

「例えば、土俵下まで着物で出てきて、そこにスポンサー名が入っているとかはすぐ浮かびますよね。あとは、それこそナイキのマワシができるかもしれない(笑)」

 他にも「倫理的な問題はともかくとして」と前置きしつつ、こんな広がりも想定できるのだという。

「現実としていま海外のスポーツではスポーツベッティング業界からのスポンサードが興行にとって大きな影響を与えています。これはMLBでもNBAのようなメジャースポーツでも変わりません。球団はそういった支援があってはじめて選手たちの高額な年俸を支払えているわけです。

 極論ではありますけど、仮にブックメーカーがプロジェクトに絡むようなことがあれば、それこそ参加選手への報酬もケタが変わってくる可能性もある。私たちはあくまでイベント形式でしかやったことはないですけど、仮に競技としての“SUMO”が世界に広がるなら、そういう可能性も秘めているとは思います。しかも、こういうことは協会の中にいる人には絶対にできないことでもあります」

田代さんが感じる相撲への「危機感」

 現状、白鵬は会見などで国際相撲大会『白鵬杯』をベースにした「アマチュア相撲の活性化」を掲げている。だが、そういった活動が大きくなっていけば、プロジェクトが将来、プロ化へも繋がっていく可能性も十分にある。

 そしてそれが「ひいては力士たちの待遇向上につながれば一番いいと思います」と田代さんは言う。

 田代さんがそう考えるのは、現在の相撲への「危機感」もある。

【次ページ】 日本と海外における「相撲」の違い

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