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「たまらんですよ!」“生粋の横浜ファン”DeNA石田裕太郎を燃えさせた筒香嘉智の助言…最強ローテに「へばりついて、ポジションを奪う覚悟です」

posted2025/06/30 11:01

 
「たまらんですよ!」“生粋の横浜ファン”DeNA石田裕太郎を燃えさせた筒香嘉智の助言…最強ローテに「へばりついて、ポジションを奪う覚悟です」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

今季は5/22の本拠地初先発で1安打完封勝利を挙げ、その後も一軍で奮闘を続けている石田

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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Naoya Sanuki

昨季後半、不調に迷い込んでしまった石田裕太郎。そこから脱却し新たな姿を模索するなかで、参考にした先輩がいた。〈NumberWebインタビュー:全2回の2回目/はじめから読む〉

「それが東(克樹)さんのスタイルなんです」

 そう言って頷き、石田はつづけた。

「ファームに行ったとき、どうして僕は連打されて点を取られてしまうのか考えたんです。最少失点でイニングを終わらすことができず、例えば4回に3点、5回に4点とか複数失点する癖が昔からあるんです。それを考えたときに、一番いい教科書になったのが東さんでした」

東はゲームを決して壊さない

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 調子がいいときは圧巻の投球を見せる東だが、状態が悪いときであっても持ち前の再現性と投球術でピンチを切り抜け、イニングを最少失点で終わらせてゲームを作る。

「ゲームを決して壊さないんです。東さんは調子がよくなくても6回3失点ぐらいで試合を収めている。僕の場合、3失点してしまうと、ああやられたなって思ってしまい、悪い流れになってしまう」

 是が非でも失点を少なく抑えたいというのがピッチャーの性である。仕方のないことかもしれないが、この思い込みの枠を外さなければ成長はないと石田は考えた。

「東さんの映像を見漁って、自分のなかで感覚的にですけどわかったことがあったんです。だから今年は、先発をしたら3点以内に抑えるというのを目標にしました。その方が気が楽ですし、じゃあその3点を2点、1点、0点にしていくことを考えるべきだって。

 ピンチになっても視野を狭くしない。例えばソフトバンクとの試合(6月15日)で先発しましたが、5回にノーアウト二塁にされて、いつもだったらあそこで複数点を取られるパターンなのですが、マウンド上で落ち着いて、時間を取ることができて、後続を断ち切ることができました。押すだけじゃなく、引くことも大事。こういった感覚を手に入れられたのは、自分にとって安心材料になっています」

直球の向上と新球の習得

 石田という投手が、数字では見えないところで成長していることがよくわかる。また、それは投球術においても同様だ。ストレートのアベレージは、昨季と同等の145キロほどだが、チーム独自のデータベースである『ピッチングプラス』では確実に球質が向上し、強くなっていることがわかっている。そしてもうひとつ、昨オフに習得したスイーパーがピッチングの幅を広げている。

【次ページ】 投球術・メンタルの成長

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