「たまらんですよ！」“生粋の横浜ファン”DeNA石田裕太郎を燃えさせた筒香嘉智の助言…最強ローテに「へばりついて、ポジションを奪う覚悟です」 

ファン目線で見た選手・石田は……

「いいんじゃないですか」

　その表情は、どこかいたずらっ子のようだった。

「ずっと思っていることなんですけど、プロになればドラフトの順位は関係ないと言います。けど、やっぱ冷静に考えてみれば即戦力と言われましたが、僕はドラフト5位なんですよ。大学時代にたいして注目されなかったピッチャーが、東さん、（アンドレ・）ジャクソン、（アンソニー・）ケイ、（トレバー・）バウアーの最強先発陣と呼ばれる選手たちがいるベイスターズのなかで、へばり付いてやっているのを考えると、なかなかいいんじゃないかと思います」

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　あくまでもファン時代を想像した客観的視点。もちろん自分自身、現状に満足しているわけではないことは言うまでもないだろう。

「今は中継ぎで待機をしたり、先発の日程が空いたりすることもありますが、僕にしかできない経験をさせてもらっているなって思っています。もちろん投げたい気持ちは強いけど、あれだけの投手陣がいるのだからいろいろなモノを吸収して、いつか僕が同じ立場になれた日には、後から出てくる選手たちに同じように見てもらいたいと思うんです。バウアーの体の強さやコンディショニング、ジャクソンもあれだけのボールを持っているのに、新しい球種を探求している姿を間近で見ると、本当、彼らから吸収したいなって思うんです」

ポジションを奪う覚悟はある

　そして強気な表情をして言うのだ。

「今いるピッチャーに負ける気はないですし、ポジションを奪う覚悟はあります。勉強させてもらいながらも、その気持ちだけは忘れたくないですね」

　次世代のローテーションの中心選手として今やるべきことをやる。2年目の今季は、石田にとってプロとはなにかを考え、その過程を歩む時間になっている。

「自分にとって大きな意味のあるシーズンになっていますし、だからこそ最後までいたいですよね」

　夏から秋にかけ、チームはもちろん、石田にも一山も二山もありそうな予感。果たして理想のストロングフィニッシュを飾ることができるか、これからの熱く暑い季節、その胆力に期待したい。

〈全2回の2回目／はじめから読む〉

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