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「完全に迷っていましたね…」ルーキーイヤーの壁に当たったDeNA石田裕太郎が己を再発見できたわけ「“あの先輩”のスタイルをお手本に」

posted2025/06/30 11:00

 
「完全に迷っていましたね…」ルーキーイヤーの壁に当たったDeNA石田裕太郎が己を再発見できたわけ「“あの先輩”のスタイルをお手本に」<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

昨季は4勝を挙げたがポストシーズンには貢献できなかった。今季たどりついた新スタイルの「お手本」とは?

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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SANKEI SHIMBUN

昨季、「生粋の横浜ファンのルーキー」として彗星のごとくデビューした石田裕太郎。しかしプロの壁に当たってポストシーズンに貢献することはできなかった。今季、新たな姿を見せる石田のモデルチェンジの秘密に迫った。〈NumberWebインタビュー:全2回の1回目/つづきを読む〉

「数字は別として、僕としては去年よりもいい感覚がありますし、今年に懸けるという意味でも、いろいろなことが試せています」

 プロ2年目の石田裕太郎は気負いのない様子でそう言った。自身に成長を感じ、着実に歩むべき道を進むことができている、と。

 確かに石田が数字と言うように、今季は開幕ベンチ入りを掴んだが、8試合に登板(先発5、救援3)して1勝1敗1ホールド、防御率4.17(6月30日現在)と、一見すれば芳しいものではない。しかし4月中旬に一軍登録抹消をされ、再び登録されて挑んだ5月22日の中日戦(横浜スタジアム)で先発として1安打完封の快投を見せると、以降も先発として勝ち星は付かないまでも上々のピッチングを見せている。

昨季の鮮烈デビュー、そして失速

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 今季の状況の変化を尋ねる前に、まず昨季のことに触れていきたい。ルーキーだった石田は、6月9日のソフトバンク戦(横浜スタジアム)でプロ初先発を勝利で飾ると、2試合目となった16日の西武戦(ベルーナドーム)で新人として16人目となるマダックス(100球未満、完封勝利)を達成するなど一躍時の人となった。

 その後2勝を挙げたが、8月中旬以降、早いイニングでつかまることが多く黒星を重ねてしまい、ポストシーズンではチームの日本一に貢献することができなかった。そこには対戦相手の対策、研究があったと考えられるが、一体、石田自身になにが起こっていたのだろうか。

「完全に迷っていましたね……」

 表情を曇らせ石田は語り出した。

「ベイスターズはデータの重要性や有効活用の方法を教えてくれるのに、自分自身、ああじゃないこうじゃないって考え過ぎてしまったところはあったと思います」

【次ページ】 石田が手本にした「ある選手」

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#横浜DeNAベイスターズ
#石田裕太郎

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