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長嶋茂雄は「普通の人でしたよ」…4日連続弔問が話題“ミスターの弟分”柴田勲が語った意外な素顔 オフの“山籠もり”に同行も「割り勘だぞ！」
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2025/06/26 11:01
1967年、リーグ3連覇を祝う祝勝会での柴田勲と長嶋茂雄。当時から長嶋に「弟分としてかわいがってもらった」と柴田は振り返る
酒をほとんど飲まないため、試合が終われば真っ先に帰路に就く。自宅にも滅多に人を招き入れず、プライベートをひけらかすようなこともしない。柴田はそんな長嶋を「秘密主義者」と表現した。
「まだ上北沢に住んでたとき、長嶋さんから自宅に招待してもらって食事をごちそうになって、バッティングの話をしたことはありましたけど、それも3回くらいですよ。田園調布に引っ越してからも、自宅に行くと『あがれ』とは言わずに玄関先で話すことが多かったし、『あそこの公園で会おう』とかね。
意識してそういう対応をしていたのかわからないけど、常に人から見られる生活だったから苦しかったところはあったと思います。そういうことは聞いても言わなかったし、辛そうなそぶりも見せなかったですよね」
記憶に残る長嶋との「自主トレ」
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長嶋は「長嶋茂雄を演じていた」ともよく言われる。
そのことについて、柴田も「そうだと思います」と首肯する。ただ時折、普通の顔を覗かせることもあったというのだ。
人懐っこい性格から、柴田は王と飲み歩くなど可愛がられていたし、それは長嶋も同じだった。なかでも柴田が思い出深いと話すエピソードとして度々挙げるのが、70年の静岡・大仁での自主トレである。
3番・王、4番・長嶋のあとを打つ5番バッターとして、26本のホームランを記録した68年から一転、69年はホームラン9本で打率も2割2分9厘とスランプに陥った。不振からの脱却を果たすべく、藁にもすがる想いで指導を仰いだのが長嶋だった。
当時、シーズンオフの長嶋の自主トレは“山籠もり”と言われていた。柴田としては半信半疑のなか「ご一緒させていただけませんか？」と願い出ると、意外なことに長嶋はあっさりと快諾してくれたのだという。
「いいよ、一緒にやろう！ お前だからOKするんだぞ。他の人とは誰とも行ったことがないんだからな」
