長嶋茂雄は「普通の人でしたよ」…4日連続弔問が話題“ミスターの弟分”柴田勲が語った意外な素顔　オフの“山籠もり”に同行も「割り勘だぞ！」 

　そう念を押され、こう付け加えられた。

「その代わり、割り勘だぞ」

　柴田が笑いながら郷愁を呼び起こす。

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「そういうところが長嶋さんらしいよな。誰も長嶋茂雄にアドバイスなんか求められないんだけど、あのときに言ってよかった。1週間くらいずっとふたりっきりで練習してね。お昼に1回、夜にも1回、バッティング指導をしてもらいました。『構えが大事だからな。今のお前は上体が浮いている』とかね、親切に教えてくれましたよ」

　きっと、演じてはいない。ただ、普通のなかにもどこか奔放さが垣間見える。それが、柴田にとっての長嶋だった。

弟分が見た「プライベートの長嶋茂雄」

　V9時代の長嶋は、日本シリーズ前になると疲労回復に効果があるとされるニンニク注射を打っていたという。そこに柴田と、立教大の後輩にあたる土井正三も誘われた。

「これがねぇ、活力が出るんだよぉ」

　そう言って臀部に注射を打つが、柴田は「強烈なにおいしか覚えてない」と笑う。

「長嶋さんのプライベートを知っている人が少なかったなかで、僕と土井の正ちゃんは親しくさせてもらっていたほうでしたかね」

　プライベートでは長嶋のむちゃぶりに柴田が応じる。そんな構図が当たり前となった。

1980年には2000本安打も達成した柴田　©︎JIJI PRESS

　長嶋が監督を退任した翌年の81年。オールスター期間中に駆り出される。

「おいお前、どうせ出ないんだから暇だろ。ゴルフに付き合え」

　長嶋にかかれば「行く」前提で話が進む。だから「はい」と答えるほかない。

「オールスターに出ないって言ったって、こっちはシーズン中なのにね（笑）。あの人、監督を辞めて暇だったから、急にゴルフに誘われることは多かったです。僕が引退してからはしょっちゅうでした」

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