高校野球女子マネの“雑用係だけじゃない”改革…「悩みを抱える学校はあるんじゃ」「私達もレベルアップを」情報共有サイトがスゴい 

　まず、66校の高校野球部のマネージャー77人にGoogleフォームを使ってアンケートを送付し、マネージャーたちの意識調査をした。その結果「他校のマネージャーと直接話す場があったら参加したいと思うか？」の問いに対しては86％の66人が「はい」と回答した。

野球学会での提案のダイジェスト　©Kou Hiroo

　さらに「他校のマネージャーたちと情報共有ができるオンライン掲示板があったら閲覧したいと思うか」には、95％の73人が「はい」と答えた。どのSNSアプリで開設するのがいいかについても比較検討をして、Facebookのオンラインサロンを選択することとした。この結果に基づき「オンライン掲示板」を開設することにし2025年1月9日、～集まれマネージャー～ 通称 『あつマネ！』を開設した。

スコアにデータ管理、アナウンスのスキルアップ共有

　コンテンツは実にユニークだ。

ADVERTISEMENT

●スコア・ベンチワーク 
●アナウンス 
●ノック 
●データ管理 
●補食作り 
●来客対応 
●SNS（広報活動） 
●何でも相談室

　例えば「来客対応」で見てみると、夏は冷たい麦茶、冬は暖かい緑茶、さらにカイロを手渡すなど、きめ細かな対応についても紹介されている。

「うちはこうしている。私たちはこんな感じ」

　といろいろな情報交換を通じて、マネージャー業務のスキルアップを図るというもの。

　具体的なサイトの開設以後も含めた内容は、今年2月11日にオンラインで行われた一般社団法人野球まなびラボ主催の「第2回高校生野球科学研究発表会」でも発表された。

誹謗中傷へのセキュリティはどうしている？

　どこまでも前向きで、向上心にあふれた立花学園女子マネージャーに話を聞いた。

　まずは3年生の飯島莉奈さん。

2024年12月日本野球学会で発表する飯島さん　©Kou Hiroo

「昨年まで、うちの野球部には7人のマネージャーがいたんですが、今年度は4人になってしまって、業務が上手くまわらなくなったんです。このことがきっかけになって、全国にはマネージャーが少なくて仕事が回らないとか、情報が伝わりにくいとか、課題、悩みを抱えてる学校が絶対にあるんじゃないかと思ったんです」

――開設して、どうでしたか？

【次ページ】　誹謗中傷へのセキュリティはどうしている？