長谷川穂積の直言「那須川天心はもう世界戦をしたほうがいい」“パンチ力がない”発言にも独自見解「どちらかといえば僕も同じタイプだった」 

「どちらかといえば僕も同じタイプだった」

　言うまでもなくノックダウンを引き出す要素はハンマーと評されるような「パンチ力」だけではない。最初はあまり倒せなくても、キャリアを重ねるにつれバンバン倒すようになる選手もいる。世界王者になってからKOを量産し始めた長谷川さんもその一人だった。

「どちらかといえば僕も那須川選手と同じタイプだったんじゃないかと思うんです。僕の場合は握りが遅かった。コツをつかんだという意識はなかったけど、途中から相手が勝手に倒れるようになった感覚です。握りの意味が分かるようになったのは引退してから。だから今のほうが現役時代よりも強いパンチが打てます。簡単ではないかもしれませんが、那須川選手も倒せるようになる可能性は十分にあると思います」

　そもそも那須川のポテンシャルの高さ、格闘技センスはだれもが認めるところだ。

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「サイドに素早くポジションを取る動き。あれはトップ選手でもなかなかできないんです。バンタム級ウエートで戦ったのが2試合目で減量が心配されましたが、うまく落としてリカバリーしたのでしょう。最後まで足もよく動いていたし、手数も落ちませんでした。成長していると感じました」

サンティリャンの頭を跳ね上げた那須川天心の“カエルパンチ”　©Naoki Fukuda

「強い選手とやったほうがいい」“即世界戦”のススメ

　那須川の現在の世界ランキングはWBC1位、WBA2位、WBO2位、IBF4位。すぐにでも世界挑戦できる位置におり、2団体を統一した中谷が王座を返上すれば王座決定戦のチャンスが回ってくる可能性も高い。世界タイトルマッチは早ければ11月にセットされるという報道もある。

　一方で「もう少し経験を積んだほうがいいのではないか」という心配の声もあるだろう。那須川に足りないのは経験だ。長谷川さんはどう考えるのだろうか。

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