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長谷川穂積の直言「那須川天心はもう世界戦をしたほうがいい」“パンチ力がない”発言にも独自見解「どちらかといえば僕も同じタイプだった」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2025/06/13 18:02

長谷川穂積の直言「那須川天心はもう世界戦をしたほうがいい」“パンチ力がない”発言にも独自見解「どちらかといえば僕も同じタイプだった」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

世界前哨戦を制した那須川天心。KOを逃し「ないと思うんですよ、パンチ力が」と率直に語った

「僕はもう世界戦にチャレンジしたほうがいいと思います。いい試合をしてアピールしなくちゃいけないとか、この相手は倒さなくちゃいけないとか、そういう試合のほうが選手はしんどいんですよ。勝つだけで万々歳という相手のほうが彼は力を発揮すると思います。強い選手とやったほうが力を出すタイプでしょう」

 強い選手と対戦したほうがいい。確かにそのほうが那須川の才能は解放されるのかもしれない。

「堤選手(WBA休養王者)でも、武居選手(WBO王者)でも、中谷選手(WBC・IBF王者)でも、西田選手(前IBF王者)でもいいと思うんです。彼らとやって那須川選手が勝てないかといえば、そんなことはないと思いますから」

“普通じゃない王者”の領域まで「もう一息」

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 スター候補がチャンピオンになるまでの過程で厳しい見方をされるのは宿命だ。それを乗り越え、ボクシング界をけん引するスターになるのが那須川に与えられたミッションである。

「試合翌日の会見で粟生隆寛トレーナーが『今のままだと普通の世界チャンピオンって感じになってしまう』と発言していました。僕も那須川選手にはもう一皮むけたチャンピオンになってほしいと思う。もう一息だと思いますね」

 いずれにしても世界戦がすぐ近くまで迫っているのは間違いない。宿命を背負った那須川のビッグチャレンジに期待が集まる。

#1#2とあわせてお読みください>

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「中谷潤人の強打をモロに…」西田凌佑の“敗因”は何だったのか? バッティングでも脱臼でもなく…長谷川穂積がズバリ指摘「もう少し頭を振っていれば」
この連載の一覧を見る(#1〜3)

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