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「防御率12.38→0.93」藤浪晋太郎31歳が5月以降“まるで別人”の快投…菅野智之と同じ「トレード移籍説」からメジャー昇格はあり得るか
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広尾晃Kou Hiroo
photograph bySteph Chambers/Getty Images
posted2025/06/10 17:20

藤浪晋太郎は5月以降、マリナーズ傘下のマイナーで快投が続いている
〈鈴木誠也/カブス〉
61試242打64安16本55点1盗25球72振 率.264 OPS.881
6月3日ナショナルズ戦 4打0安0本1点0盗 0球2振
6月4日ナショナルズ戦 3打1安0本0点0盗 1球0振
6月5日ナショナルズ戦 4打2安0本0点0盗 1球1振
6月6日タイガース戦 4打0安0本0点0盗 0球2振
6月7日タイガース戦 4打2安2本2点0盗 0球1振
6月8日タイガース戦 4打0安0本0点0盗 0球3振
6試合23打5安2本3点0盗 2球9振
6月7日には今季3回目の1試合2本塁打。55打点はメッツ、ピート・アロンソの61打点に次ぐ2位。当初はDHだったが、このところ外野守備に就くことも多くなっている。
〈ラーズ・ヌートバー/カージナルス〉
63試248打60安8本28点4盗38球58振 率.242 OPS.734
6月3日ロイヤルズ戦4打1安0本0点0盗 1球0振
6月5日ロイヤルズ戦5打2安0本0点0盗 0球0振
6月5日ロイヤルズ戦2打0安0本0点0盗 2球2振
6月6日ドジャース戦3打0安0本0点0盗 1球0振
6月7日ドジャース戦4打1安0本0点0盗 0球2振
6月8日ドジャース戦5打0安0本0点0盗 0球3振
6試23打4安0本0点0盗 4球7振
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打率は.242と低いがOPSは.734、安打に加え四球での出塁も多くリードオフマンとしての機能を果たしているといえよう。
“じつはパドレスで序列アップ”松井裕樹
〈山本由伸/ドジャース〉 ※投手のカッコ内は(球数-ストライク)
13試6勝4敗0S 73.2回49安6本25球86振 責18率2.20
6月7日カージナルス戦6回4安0本2球9振 責0(94-61)
7日のカージナルス戦では6回を投げて9奪三振、打線を寄せ付けなかったが援護がなく勝利はつかず。防御率2.20はナ・リーグ3位。
〈菅野智之/オリオールズ〉
13試5勝4敗0S 75.1回71安12本12球42振 責27率3.23
6月3日マリナーズ戦7回5安1本1球5振 責1(90-58)〇
6月8日アスレチックス戦4.1回8安0本1球2振 責3(87-56)●
3日のマリナーズ戦は7回自責点1の好投だったが、中4日のアスレチックス戦は5回途中で降板した。防御率3.23はア・リーグ16位。チームの不振が続く中、7月末のトレード期限を前にトレードの話が現実味を帯びている。
〈千賀滉大/メッツ〉
12試6勝3敗0S 68回50安4本30球65振 責12率1.59
6月6日ロッキーズ戦6回5安1本2球6振 責1(109-67)
先週に続いてロッキーズ戦に登板し、6回自責点1の好投も勝ち星つかず。ナ・リーグ防御率1位をキープしている。
〈菊池雄星/エンゼルス〉
13試1勝5敗0S 69.2回71安8本40球63振 責25率3.23
6月3日レッドソックス戦5回8安1本5球5振 責3(99-56)
まだ1勝だが、防御率3.23はオリオールズ菅野に次ぐア・リーグ17位でチーム1位。エースと言っても良い。
〈松井裕樹/パドレス〉
27試2勝1敗0S 25.2回18安2本12球29振 責9率3.16
6月3日ジャイアンツ戦1回0安0本0球0振 責0(5-3)〇
6月5日ジャイアンツ戦1回0安0本0球1振 責0(10-6)
6月8日ブルワーズ戦0.2回0安0本1球2振 責0(17-9)〇
3日のジャイアンツ戦は2-2の最終回に投げて零封。延長10回にチームが勝ち越したので初勝利となる。8日のブルワーズ戦は、0-0の6回1死で先発からマウンドを引き継ぎ、無失点。直後の7回にパドレスが得点を奪い、2勝目。勝ちパターンでの起用が増えている。
ダルや青柳、藤浪と同僚・乙坂の現状は?
最後に故障者リスト(IL)や藤浪と同様にマイナー調整が続く選手の現状を見ていこう。
〈佐々木朗希/ドジャース〉
8試1勝1敗0S 34.1回29安6本22球24振 責18率4.72
〈今永昇太/カブス〉
8試3勝2敗0S44.2回35安7本14球34振 責14率2.82
〈前田健太/タイガース〉
7試0勝0敗0S8回9安1本6球8振 責7率7.88
右肩のインピンジメント症候群を発症した佐々木はチームに帯同している。今永は6月4日、ライブBPで登板。復帰が近づいてきた。前田はAAAアイオワ・カブスでの6月4日の登板では、5回を投げて2被安打2与四球3奪三振、零封。ようやく立て直しそうだ。
IL入りしているパドレスのダルビッシュ有は、右ひじの痛みを訴え復帰時期は未定。ただし現地時間9日のドジャース戦を前にブルペン入りしている。
同じくILのレッドソックスの吉田正尚も復帰のめどは立たず。トレードの噂もあるが高額年俸が足かせになっている。
ナショナルズ傘下AAAロチェスターの小笠原慎之介は、4月17日に脇腹痛でIL入り。マイナー契約フィリーズ傘下AAAリーハイバレーの青柳は、6月3日の登板で今季初先発、2回を投げるも4被安打1被本塁打で自責点3、6日は再び救援に戻るも1.1回3被安打で自責点7、5月末は防御率3.29だったが、この2試合で7.94まで悪化した。
元DeNA乙坂智は冒頭に触れた通り、藤浪とともにAAAタコマ・レイニアーズでプレー。7日の試合は9番左翼で出場して4打数3安打1打点、通算打率は.286になった。〈メジャー特集:つづく〉

