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「宮崎敏郎、佐野恵太を抜擢」「曜日別勝率まで分析」ラミレス前監督がDeNAを強くできたわけ「データ重視、決断は変えない“ガンコ”ですね」 

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村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byNanae Suzuki

posted2025/06/10 11:00

「宮崎敏郎、佐野恵太を抜擢」「曜日別勝率まで分析」ラミレス前監督がDeNAを強くできたわけ「データ重視、決断は変えない“ガンコ”ですね」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

暗黒時代だったベイスターズを勝てるチームに育てたラミレス。その監督哲学、奇策の真実、今季のDeNAまでを語った

 ラミレスの監督としての信念では、あらゆる奇策、打順の組み替え、継投などのすべての采配に明確な根拠があるという。ただ、局面局面で動いていくプロ野球の試合においては、時に「ちょっと、それ違うんじゃないの」という懐疑的な目が、スタンドからも、放送席からも、時にベンチからも向けられた。

「カントクとしてチームを率いると、多くのタフな決断があります。そこでの決断は自分の信念に基づいてされなければいけない。例えば、スタメンを決める時、今までは代打が多かった選手、この選手をレギュラーにしようと起用する。それも裏付けに基づいた決断です。

 例えば宮崎敏郎は、僕が入る前までは代打や二塁を守ることが多かった。それを三塁に固定してレギュラーに抜擢した。桑原将志も戸柱恭孝も佐野恵太も、同じです。頑固でなければそれらの決断もできなかった。チームの中で『ラミちゃん頑固だな』と、なかなか同意をもらえなかった時もありましたけど、自身の信念を貫いたからこそ、結果として今、宮崎は球界を代表する選手になってくれたと思っています。

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 佐野恵太の抜擢は、僕の中でベストの采配でした。でもまあ、僕なんて微々たる力ですけどね(笑)。去年彼らが活躍して日本一になったことにも、少しは貢献できたんじゃないかなとは思います」

魔術のような独自データ分析

 ラミレスの“頑固”であり、“勝てる自信”の根拠となったのがデータ分析である。

 現役時代から捕手の配球をメモして研究するなど、万全な準備と分析により、誰よりも結果を残したラミレスは、監督になってからもアナリストのデータだけでなく、ベンチの中でメモを取り、球場別、曜日、天気など、ラミレス独自のあらゆるデータを蓄積させてきた。

 2019年のCS前に立ち話をした時、「月曜日(第3戦)まで行けば負けるよ」と言われ、実際にそうなった時には、ラミレスは占い師か魔術師か、どこまでデータを見ているのだろうと戦慄したものだ。同時に「曜日のデータ優先度ってそんな上なの?」とも、それらのデータはどこまでチームとして共有されていたのか、とも。

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