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「欲望と天賦の才」19歳ドゥエ衝撃2G1AでPSGがCL初制覇…背景に“超金満クラブが牛耳る問題”「ボクシングなら同階級ではない」

posted2025/06/01 11:19

 
「欲望と天賦の才」19歳ドゥエ衝撃2G1AでPSGがCL初制覇…背景に“超金満クラブが牛耳る問題”「ボクシングなら同階級ではない」<Number Web> photograph by Taisei Iwamoto

インテルを5-0で粉砕したPSG。19歳ドゥエらの大活躍によってCL初制覇を成し遂げた

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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Taisei Iwamoto

 勝負を決定づけるパリ・サンジェルマンの3点目を記録し、ユニフォームを脱いで歓喜を爆発させたのは、今季のチャンピオンズリーグ決勝に先発した最年少の選手だった。

“欲望と天賦の才”19歳ドゥエが大暴れ

 デジレ・ドゥエ──“欲望”と“天賦の才”を意味する名前を持つ19歳のフランス代表だ。63分、ウスマン・デンベレが中盤で洒脱なパスを通し、それを受けたヴィチーニャが前方に運んだ後に、右前方に走り込んだドゥエへとスルーパス。これをダイレクトでニアサイドに決め、スコアは3-0となった。

 先発した選手の平均年齢が24.8歳の若いPSGを象徴する1年目のアタッカーは、先制点をアシストし、2点目と3点目を決め、チームの生命線であるハイプレスの急先鋒となり、試合後にプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選出されている。

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 ただし、PSGの猛攻はそれで終わらなかった。

 先発した11人の平均年齢が30.3歳のインテル・ミラノは、PSGの若者たちにその後も振り回され、73分にはフビチャ・クバラツヘリアが独走からGKヤン・ゾマーとの1対1を制し、4-0に。このスコアはチャンピオンズリーグ史上最大得点差で、1994年の決勝──ファビオ・カペッロ監督のACミランがデヤン・サビチェビッチの美しいボレーシュートなどにより、前評判の高かったヨハン・クライフ監督のバルセロナを粉砕した一戦──まで遡る。

 さらに86分には、途中出場した22歳のフランス代表ブラッドリー・バルコラのアシストから、こちらも後半に投入された19歳のフランスU-20代表セニ・マユルが至近距離から豪快に決めて、掲示板には5-0と表示された。1956年にレアル・マドリーが初優勝したこの大会の決勝史上、最大の得点差だ。

リバプールとアーセナルなどプレミア勢連破、インテルも

 これほどまでの大差を予想できたひとは、おそらくいなかっただろう。メジャートーナメントの決勝は、往々にして接戦になるものだ。過去5シーズン、4つのCL決勝が1-0で終わっているように。

【次ページ】 若きPSGが見せた完璧なチーム戦術と個人の判断

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