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「地獄です」伊東純也も中村敬斗もボウ然の降格…激怒サポがシート投げ込み「中村には引き抜き報道」日本代表戦前に残酷なリアル
posted2025/06/04 17:15

入れ替え戦キックオフ前、アップに臨む中村敬斗と伊東純也。試合の結末は残酷なものだった
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
「地獄です、勝てた試合だった」
5月29日、伊東純也、中村敬斗、関根大輝が所属するスタッド・ランスは、FCメスとの昇降格をかけたプレイオフに敗戦、2部降格が決定した。スタジアムの空気が絶望に包まれた試合後――伊東が吐露したのが冒頭の言葉だった。
〈イトウ〉〈NAKAMURA〉ユニ姿のファンも
リーグアン24-25シーズンを18クラブ中16位で終えたランスは、リーグ・ドゥ3位のメスとのプレーオフに臨むことになった。ホームアンドアウェイで争われる初戦は敵地で1-1と引き分けたため、ホームで迎えた2戦目が決戦の舞台となった。
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伊東の言葉そのままに、勝てば天国、負ければ地獄の舞台だ。
規模や華やかさ、注目度ではCL決勝の舞台などとは比べようもないが、選手やスタッフ、ファンなど個々の熱量では、遜色ないほどの激しいプレーと感情がスタジアムを包む。そんな試合の後に、日本人の選手たちがどんな表情を見せるのか――撮影のためにフランス北部のマルヌ県のランスへ向かった。
通常よりも厳戒に感じられる警察の規制があり、多くのスタジアムへ通じる通りが封鎖されていた。赤いユニホームを纏ったたくさんのファンが徐々に一つの塊のようになり、オーグスト・ドローヌ・スタジアムを目指した。その中には〈iTO〉やカタカナでの〈イトウ〉、〈NAKAMURA〉の背ネームが刻まれたユニホーム姿のファンも見つけることができた。
20時半のキックオフより随分早くにスタジアムは赤く染まり始めていた。メンバーの練習を熱く鼓舞する姿からは、試合の重要度がヒシヒシと伝わってきた。この一戦で先発が発表された伊東と中村はペアとなってアップに臨む姿も見られたが――この熱いサポーターの思いを間違いなく感じ取っていたはず。
エールを送られた伊東の動きは出色だった
キックオフ早々、伊東が観客席直近で激しいプレスバックで相手の攻撃を分断すると、そのプレーに呼応したサポーターから大きなエールが送られた。
また試合での主導権を主張するかのように、メスの守備者が激しいタックルを中村に仕掛けると、中村も負けじとすぐさま相手に詰め寄る姿があり、ハードな攻防を予想させるスタートとなった。