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「お前、ほんとに調教師になったの?」競馬にまったく興味がなかった“異端の調教師”が、皐月賞馬ミュージアムマイルと挑むダービー制覇
text by

江面弘也Koya Ezura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/05/31 11:02
2025年皐月賞を制したミュージアムマイル
「ノーザンファーム時代のぼくを知っている人から『お前、ほんとに調教師になったの?』って、いまでも言われます。『競馬のことをなにも知らなかったのに』って(笑)」
厩舎を開業して8年め。高柳はミュージアムマイルで皐月賞を制した。チャンピオンズカップ(テーオーケインズ)、ヴィクトリアマイル(テンハッピーローズ)につづいてGI3勝めだ。いまやりっぱな「新進気鋭の調教師」となった高柳は言う。
「おかげさまで、いろんな牧場とか馬主さんにかわいがっていただいて、いい馬に恵まれたというか」
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高柳厩舎には、古巣のノーザンファームはもちろん、出身地の門別をはじめとする日高産馬も数多い。厩舎事務所に並んでいた皐月賞優勝を祝う胡蝶蘭には様々な牧場や馬主の名前があったが、それが高柳大輔という調教師の姿を映しだしている。
「すごくいい馬だと思った」
ミュージアムマイルが所属するサンデーレーシングの馬は「毎年1頭ぐらい」預かっているということだが、その1頭が皐月賞馬になった。クラブから依頼があったのは1歳の春で、ノーザンファームに見に行った高柳は「すごくいい馬だと思った」。
「バランスもよくて、牧場のスタッフも『これ、いいと思います』と言ってましたし」
デビュー前から調教の動きもよく、新馬戦は勝つ自信があった。ところがゲートが開くと、「パッと見たら、馬がいない(笑)」ほど大きく出遅れる。それでも最後はしっかりと追い込んで3着にきていたので、距離は長いほうがいいと高柳は思った。
つぎの未勝利戦は出遅れもなく、きちんと勝った。3戦めの黄菊賞は2着に3馬身差をつける強い勝ち方。そして4戦めが朝日杯フューチュリティSだった。1600mでデビューし、1800mで勝ち、2000mではさらに強い勝ち方をした馬を、なぜ1600mのGIに出したのか。それが疑問だった。高柳の説明はこうだ。
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![ミュージアムマイル/2022年生まれ。[父]リオンディーズ[母]ミュージアムヒル[生産]ノーザンファーム[馬主]サンデーレーシング[調教師]高柳大輔(栗東)[通算成績]6戦3勝[主な勝鞍]25年皐月賞(GI) ©︎Kichi Matsumoto](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/d/7/1500wm/img_d7776d800debe8025eda6c76beefffb4757402.jpg)