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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「私の予想では9R以降で…」井上尚弥“最後の挑戦”はフェザー級王者? 老舗スポーツ誌の英国人記者が大予想「ニック・ボールの課題はボディ耐性だ」
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一野洋Hiroshi Ichino
photograph by(L)Getty Images、(R)Takuya Sugiyama
posted2025/05/14 17:02
5階級制覇を目指す井上尚弥のフェザー級での相手候補と目されるニック・ボール。もし戦わば、ボールの地元・イギリスのスポーツ記者の予想は…?
とはいえ、ボールの課題も明確だ。ファレル氏は次のように指摘している。
「2024年から2025年にかけてのロニー・リオス、TJ・ドヘニーとの防衛戦では、格下相手に被弾が多く、特にボディへの耐性に課題を見せた。井上が対戦すれば、確実にその弱点=腹部を徹底的に狙ってくるだろう」
ボールにはもうひとつ特徴的な傾向がある。それは、格上相手のほうが力を発揮するタイプだという点だ。2024年3月、WBC王者レイ・バルガスとの試合では、結果こそドローだったものの、内容では優勢だったという声が多い。そしてそのわずか3カ月後、アメリカのレイモンド・フォードを接戦の末に破り、WBA王座を手にした。
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バルガス戦もフォード戦も、サウジ・リヤドで開催された。サウジのボクシング界を牽引するトゥルキ・アル・シェイク氏にとって、井上の5階級制覇挑戦を“自国興行”として実現させることは大きな魅力となるだろう。
だが、もうひとつの夢の舞台として語られているのが、リバプールFCの本拠地・アンフィールドだ。
“あの”アンフィールドで開催の可能性も!?
かねてからビッグマッチの会場候補に挙がってきた名門スタジアムだが、実現には至っていない。ボールは熱狂的なリバプールサポーターとしても知られており、地元で世界最高のボクサーを迎える舞台としてはこれ以上ない場になる。
ボールと同じリバプール出身のカラム&リアム・スミス兄弟といった人気ボクサーですら戦っていないアンフィールド。そこに、ボールと井上が登場するとなれば、リバプールの街は熱狂に包まれるはずだ。
気になるのは勝敗の行方だ。ファレル氏の見立てはこうだ。
「私の予想では、井上が試合の最終盤──つまり後半3分の1(9~12R)でKO勝ちする可能性が高いと思う」

