「だから田口（真彩）でした」わたがしペアを解散した渡辺勇大が、19歳の新星と組んだ“決定打”とは？「田口は気遣い屋」「とんでもない成長力だな」 

「田口は気遣い屋です」「とんでもない成長力だな」

　その後、国際大会への出場など、ともにプレーする機会を重ねているが、ここまで組んでみての田口への印象をこう語る。

「毎日変化してますね。とんでもない成長力だなって感じています。どんな練習でも、どんな物事でも一生懸命やるのがその選手の可能性をいちばん広げる方法だと思います。意味が分からなくても100％出し切ってみる、僕自身もそうだったし、田口もそうやって練習を積んでいて、見ていて楽しいし、僕自身がそれに引っ張られてもっと頑張んなきゃと、お互いが影響を与え続けているなと思っています」

　渡辺が組んでいた東野は「コミュニケーションを大切にしています」と語っていた。渡辺も東野との間でコミュニケーションを重視してきた。

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「僕自身もコミュニケーションってすごく大切だと思っていて、なんでも一回伝えてみることだったり、言葉にしてみることが大事だなと感じてきました」

　ただ、田口とは、バドミントンの選手として築いてきたキャリアが大きく異なる。年齢も8つ違う。

「田口が遠慮してしまう部分はもちろんあります。田口は気遣い屋ですし。でもコートの中に入ったらフェアだと思っています。男子ダブルスで東京オリンピックを目指す中で11歳上の先輩と組ませてもらっていましたけど、その先輩がコートの中でフェアに立ち回れるように気を遣っていたのと同じように、今度は僕が、お互いが引っ張り合って勝ちにつなげられるように作り上げるべきだと思っています。まだそこの役割ができていないから、田口も気を遣ってしまったり、言い出せなかったりという部分があるので、そこはまだ僕自身の伸びしろでもあるかなと思います」

　田口とともに国際大会にも出場を重ね、現在まで進んできた渡辺だが、今年1月、思いがけないニュースが反響を呼んだ。

　1月21日に2025年のナショナルチームのメンバーが発表されたが、そこに渡辺と田口の名前はなかった。当初、「落選」と伝える報道もあったが、そうではなかったことは1月29日に明らかになった。渡辺が自身のSNSで、日本代表を辞退したことを表明したのだ。

　なぜ辞退を選んだのか。その裏には日本のバドミントンを巡る近年の状況があった。《インタビュー最終回に続く》

#3に続く

渡辺勇大が“驚きの告白”「（競技を）辞める選択肢もあった」五輪メダリストがナゼ？「赤字垂れ流しで、切り崩しながら…」“代表辞退”後の現在

#3

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#2

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#1

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