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「1Rからいいジャブだなと…」敗者カルデナスはなぜ井上尚弥に“大善戦”できたのか? 怪物と最も拳を交えた男が感じた「井上の“ある変化”」
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森合正範Masanori Moriai
photograph byGetty Images
posted2025/05/09 17:30
ジャブを止めないことが、カルデナス善戦の要因だったと黒田氏は語る
「ある意味でリスクを冒してでも打ち合って、お客さんを沸かせようとしている。本来なら、ジャブを突いている時間がもう少し長くてもいいと思うんですけど、それをしないで打ちにいく。ラスベガス仕様のボクシングというか、魅せるボクシングを貫いていたような気がするんですよね。本人は違うよ、と言うかもしれませんが、自分のボクシングというより、人のためのボクシングみたいな感じです。だから見ている側からすると面白いし、でも、ハラハラしますよね」
――見ている人、誰もが興奮する試合でした。
「そうなんですよ。観客が引き込まれるファイト。ボクシングを知らない人が見てもすごい試合。井上選手はもう世界のボクシング界のアイコンのような存在になっています。そういう役目を果たそうとしているのかなと。楽しそうと言ったら失礼ですが、やっぱりボクシングが心から好きなんだろうなというのがすごく伝わってきましたね」
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――どこらへんから感じましたか。
「打ち合うところです。ヒリヒリするのが好きなんでしょうね。性格的なこともあると思いますが、スパーリングをしていても、なんかの拍子でこっちが一発いいのが入っちゃうと、必ず2発、3発と返してきます。その気持ちがないとあそこまでなれないでしょうし、そういうスタイルをファンは喜びますからね」
「次の試合は絶対に修正してくるはずです」
次戦は9月にWBA暫定王者のムロジョン・アフマダリエフと対戦する予定だ。12月にWBAフェザー級王者のニック・ボール、来春には中谷潤人戦とビッグマッチが続く。
――秋にアフマダリエフ戦です。今後についてはいかがですか。
「(TJ・)ドヘニー戦のような慎重な立ち上がりになると思います。今回、意図しないダウンだったと思うので、次の試合は絶対に修正してくるはずです。前々からやっているアウトボクシングを組み合わせたり、またひと味違う井上選手が見られると思います。相手も対策してきますが、今回のように、それを上回る勝ち方を見せてくれるのではないでしょうか」
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