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「44試合は多すぎる」SVリーグ優勝監督が本音…なぜ苦言を? 大阪マーヴェラスがバレー界に投じた一石「女子バレーが強くなるために何が必要か」
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph bySV.LEAGUE
posted2025/05/07 11:05
大阪マーヴェラスをSVリーグ初代女王の座に導いた酒井大祐監督(43歳)
第3セットの13対12の場面でセッター塩出とオポジットの宮部愛芽世を投入すると、塩出のサービスエースや宮部のブロックを含む連続得点で23対16と大きく点差を広げ、そのまま優勝を手繰り寄せた。
まさに狙い通りの結末となったが、チャレンジすることの重要性を掲げる酒井自身も監督としてトライ&エラーを繰り返しながら指針を示してきた。
「チャレンジする以上、ミスもつきもの。イコール、ここまではミスをしてもいいよ、と見せることが大事だと思っていたし、ある程度は我慢することも必要だと思っていた。選手たちはもともと持っているスキルが高い。だからこそ、それを発揮させるためにはチャレンジをして、トライした結果で新しいものを手にしたほうが未来は明るいと思ったので、大丈夫、ここまでは大丈夫だからさらにやってみようと粘り強くやり続けてきました」
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時に我慢しながら、挑戦する選手たちを信じる。その成果が、就任1年目でのSVリーグ制覇というビッグタイトル獲得へとつながった。
「すべての試合を終えたら書いてほしい」
監督としてだけでなく、選手時代を回顧しても酒井は「挑戦」の言葉のもと、歩み続けてきた人物でもある。
当時は企業に属する社会人選手が当たり前だったVリーグで、自身は入社2年後にJTを退社し、2006年にプロ契約を結んだ。バレーボールだけで生きる、決してプラスばかりではない道を選び長い現役生活を歩んできた。準備を怠らず、決めたことは曲げずにやり抜く――その姿勢は多くの後輩選手に影響を与えてきた。それは監督となった今も変わらない。
レギュラーラウンドの全日程を終えた後、酒井は「決勝まですべての試合を終えたら書いてほしい」と前置きした後、「挑戦」と「変化」を掲げるSVリーグに対して苦言を呈した。


