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「1位のほうがおかしいんですよ(笑)」優勝→“96敗”のどん底で元ヤクルト監督・真中満が「嵐の曲を聴いていたら涙が」…天国と地獄の監督人生 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byYuki Suenaga

posted2025/05/07 11:04

「1位のほうがおかしいんですよ(笑)」優勝→“96敗”のどん底で元ヤクルト監督・真中満が「嵐の曲を聴いていたら涙が」…天国と地獄の監督人生<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

天国から地獄へ。優勝した2年後に96敗を喫した最下位シーズンも含め、監督人生を率直に回想してくれた真中満氏

カラオケで嵐の曲を聞いていたら涙が

「残り30試合以上ある段階で当時の衣笠(剛)オーナーに辞めますという話をしました。早く発表してもらったら少し気持ちも楽になるかと思ったら、全然そんなことなかった。選手も少しは気楽に頑張れるかなと思っていましたが、そこからさらに負け出しましたからね(笑)。

 本当に週に1回しか勝てないんですから、苦しかったですよ。あの時はもう、カラオケに行って大好きな嵐の『One Love』とか聞くと、涙が出てきちゃうくらい。物事の1つ1つが凄く悲しく感じて、涙腺もおかしくなっちゃってたんです。ただ、食欲がなくなることは全くなかったですけどね(笑)」

監督という仕事はやった人にしか分からない…

 とんでもないストレス状態に置かれた1年もユーモアたっぷりに語れる懐の大きさは、解説者として各方面から引っ張りだこの現在の仕事ぶりにつながっているのだろう。14年ぶりの劇的なリーグ優勝と、「96敗」の屈辱。まさに天国と地獄を味わった「プロ野球監督」の醍醐味は、どんなところにあるのだろう。

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「監督という仕事の本質や気持ちって、絶対にやった人にしか分からないと思う。チームの舵取りを担っている責任感もあるし、常にたった一人クビをかけているという部分もある。

 よくヤジや批判が辛いだろうって言われるけど、それ以前に単純に負けること自体が本当に悔しいんですよ。でもその分、勝った時は本当に気持ちいい。監督は、本当に大変だけどやりがいのある職業だと思いますよ」

〈全3回の3回目/第1回第2回も公開中〉

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「あいつを殺してやりたい!」野村克也監督の激怒に大慌て…元ヤクルト監督・真中満がノムさんに学んで2年連続最下位→優勝させた「選手操縦術」
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