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菅野智之メジャー、戸郷翔征不調の巨人新エースは「TJ手術明け、大事に使われた」山崎伊織…セ新35回連続無失点だけでなく「与四球4」も凄まじい
posted2025/05/06 11:02

セ新記録となる無失点記録を樹立した巨人・山崎伊織
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
巨人の山﨑伊織は、開幕から35イニング連続無失点を記録した。
これは1963年に阪神・中井悦雄、2023年に同じく阪神・村上頌樹が記録した31イニングを抜くセ・リーグ記録となった。1963年の中井は関西大学を中退して阪神入りしたルーキー。9月7日の巨人戦に救援で一軍初登板を果たし、以後31イニング連続無失点を記録したもの。2023年の村上は3年目、4月1日のDeNA戦に2番手としてマウンドに上がり、以後31イニング無失点を記録した。
「ミスター・ウェンズデー」の連続無失点
中井は2試合目まで、村上も最初の登板は救援して以降、先発に回って無失点記録を作った。一方で今回の山﨑はすべて先発での記録である。
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〈今季の戦績〉
4月2日 中日戦8回93球5安0本1四7振 責0○
4月9日 DeNA戦8回115球2安0本0四6振 責0○
4月16日 DeNA戦7回99球5安0本0四10振 責0○
4月23日 中日戦5回103球5安0本2四3振 責0
4月30日 広島戦7回112球5安0本1四6振 責0○
開幕第5戦目の4月2日の中日戦に今季初先発し、8回を投げて零封。以後、5先発していまだ無失点。中6日で、いずれも水曜日に登板している。「ミスター・ウェンズデー」といったところか。
山﨑は明石市立明石商高から東海大を経て2020年ドラフト2位で巨人に入団した。
この年のドラフトの目玉は投では早稲田大の早川隆久(楽天)、打では近畿大の佐藤輝明(阪神)。さらに苫小牧駒澤大の伊藤大海(日本ハム)、トヨタ自動車の栗林良吏(広島)、中京大中京の髙橋宏斗(中日)、中央大の牧秀悟(DeNA)など、中心選手に育った新人がたくさん出た、大豊作の年だった。山﨑は巨人が佐藤輝明の外れ1位で指名した亜細亜大の平内龍太に次ぐ2位で指名された。ちなみに平内は同じ兵庫県明石市の出身で、高校時代に佐藤と対戦した経験もある。
ドラフト指名時点でTJ手術…1年目は全休だった
しかし山﨑はドラフト指名された時点で、ルーキーイヤーの2021年を「全休」することがほぼ決まっていた。ドラフト指名された年の6月にトミー・ジョン手術を受けていたからだ。
山崎以外にも、最近は新人投手がトミー・ジョン手術を受ける例が続出している。