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「リングで死ぬ覚悟がある」井上尚弥に挑む29歳ラモン・カルデナスとは一体何者なのか?「イノウエが私を軽視している、なんて騒ぐつもりはない」
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byMikey Williams/Top Rank
posted2025/05/01 11:02
井上尚弥に挑戦するラモン・カルデナス(29歳)
――ジャブ、左フック、左ボディ打ちなど左パンチのうまさが目立ちますが、最も自信を持っているパンチは?
RC 左フックには常に自信を持ってきた。だから左フックこそが一番好きなパンチであり、私のベストパンチだと言えるだろう。
――子供の頃から好きだったボクサーは?
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RC 一番好きだったのはファン・マヌエル・マルケス。あとはミゲル・コットもお気に入りだった。この2人が私のフェイバリットボクサーで、よく試合を観た。私は人のスタイルを見て、自分に取り入れようとするタイプだから、その2人からは本当にたくさんのことを学んだ。彼らから取り入れたものを自分なりのやり方で仕上げていった。
「私を軽視している」なんて騒ぐつもりはない
――“モンスター”と称される井上の強さはどこにあると見ますか?
RC まずコンディションが非常に優れており、常に最高の状態で戦いに臨んでいるように見える。もちろんスピードとパワーも備えたオールラウンドなボクサーでもある。そして、彼を本当に危険なものにしているのは爆発力だ。これらのすべてを備えたパッケージであるがゆえ、彼は本当に優れた王者なのだろう。
――その井上とベガスリングでどう戦うつもりですか?
RC 実際にリングに上がるまでは分からない。彼のスピード、パワー、それらのすべてを見て、そこから適応していくつもりだ。とにかく36分間にわたって最高のパフォーマンスを見せる必要がある。36分間、鋭い動きを続け、隙を突かれないように留意する。自分がやるべきことをやるべき方法でやれば、きっといい試合になるはずだ。
――井上陣営があなたとの試合を準備する一方で、未来の対戦相手まで考えたスケジュールを組んでいることに何か思うことはありますか?
RC 誰もがそれぞれの計画を持って動いている。イノウエにはイノウエの計画があり、私にも計画がある。だから「イノウエが私を軽視している」なんて騒ぐつもりはないし、気分を害してもいない。彼が自身のプランを持っていることは尊重するし、私に勝ったらWBA暫定王者ムロジョン・MJ・アフマダリエフとの対戦に進むつもりなのだろう。私のプランは全力を尽くして、何とか勝利を収めること。5月4日は誰の計画が実現するのかが明らかになる日だ。

