- #1
- #2
ボクシングPRESSBACK NUMBER
「すごく燃える」中谷潤人が明かす西田凌佑との王者統一戦への思い…来たるべき井上尚弥戦については?「何より自分自身が楽しみなんです」
posted2025/04/19 17:15

WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(30戦30勝23KO)が語る王者統一戦の思いとは?
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Shigeki Yamamoto
未体験ゾーンのスパーリング
地獄のトレーニングを敢行するたびに、中谷潤人は一段とたくましくなる。
世界チャンピオンになろうが、3階級制覇を果たそうが、パウンド・フォー・パウンドのランキングに名を連ねようが師、ルディ・エルナンデストレーナーはまったく容赦しない。毎度ハードメニューを強いられる弟子としても「望むところ」ではある。
試合が決まれば、ルディ・トレーナーが拠点を置くロサンゼルスで強化キャンプを張ることが恒例だ。スパーリングと全力を出し切るシャドーボクシングを日替わりでこなす日々を送る。ダビド・クエジャルとの防衛戦前にも1カ月にわたって己を追い込んでいる。
ADVERTISEMENT
ここではいつも未体験ゾーンに足を踏み入れる。今回16ラウンド(世界戦は12ラウンド)のスパーリングのほかに、さすがの中谷も苦笑いでこぼしたのが1ラウンド10分(通常は3分)×3のスパーリングだった。
「ルディは“きょう1ラウンド10分やるから”とか別に言わない。スパーリングの相手陣営も聞いていないから“長くないか”と声が挙がって、ルディは“10分やる”と。そのとき初めて自分も知るんです(笑)。16ラウンドのスパーは3分の繰り返しなんでまだ大丈夫だとしても、10分はさすがにきつかったですね。メチャメチャ長く感じました。でもきついことをやったおかげで、12ラウンドが短く感じられて、スタミナの不安はまったくなく試合に挑めました。メンタルもだいぶ強くなったとは思います」
想定外を想定内にしていくルディのトレーニングをこなしていくことが、試合に向けて気持ちを高めていける効果もあるという。
中谷の強さが際立つ現状、マッチメークは容易ではない。希望する他団体との統一戦もなかなか決まらないなかでも彼がモチベーションを落とすこともなかった。
「本当に、ルディをはじめチームがアイデアのあるいろいろなメニューを思いついてくれるので、自分としてはついていくだけで必死。そうすることで自分自身に自然と向き合って、やってきたことを発揮したいというモチベーションになります。今回の試合もまさにそんな感じでした」
中谷はそう言って、支えてくれる陣営にあらためて感謝する。
なぜ統一戦にこだわるのか?
待ちに待った王座統一戦がようやく現実味を帯びる。
クエジャルに勝利した後、観戦していたIBF王者・西田凌佑が試合後のリングに入った。その場で対戦に前向きな発言をしたことは純粋に「うれしかった」と中谷は語る。
西田の印象を尋ねた。