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大谷翔平にベッツが“意外な発言”…米メディア指摘「ライバル関係」のドジャース選手たち「批判が間違いだと証明する」ベッツのショート転向はなぜ?
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2025/04/22 11:00

スター軍団、ドジャースをけん引する大谷翔平とムーキー・ベッツ
「勝つためだ。チームが勝つために最善のことをやりたい。そして球団が(外野手で)もっと優れた選手を獲得できれば、チームの勝つチャンスはさらに高まる」
ショート転向の理由
ベッツが長年守ってきた右翼のポジションには強打者が多くいるが、今のMLBで遊撃手の強打者はかなり希少だ。球団にしてみれば、打撃力の高い右翼手をFA市場やトレードで補強することは容易だが、ベッツレベルの打力を持った遊撃手を他から見つけてくるのはほぼ不可能。本塁打王争いでリーグ3位以内に1度、同5位以内に2度入ったことがある長打力の持ち主であるベッツがもし遊撃に転向して成功すれば、チームにとっても大きなメリットがあると球団と相談して決断した転向だった。
しかしそれは、ベッツでさえこれまで経験したこともない厳しい挑戦。だからストイックに、自分のことだけに集中している。一昨年から自身が司会を務めるポッドキャスト番組「オン・ベース」の配信を続けその中で大谷のこともよく語っていたが、それも昨年11月初旬を最後に止めてしまった。熱中していたピックルボールも「そんな時間はない」とやめてしまったという。
ドジャース選手の関係
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ベッツの中では、自分が一番だと思わなければ、成し遂げようとしている目標を達成できないと考えているのかもしれない。それでも試合中のベンチでは、ベッツが大谷と顔を寄せ合い何やら真剣な表情で話し合う姿を目にすることがある。それは、ともに勝利を目指す同志のような姿だった。
「僕らチームは一人ひとり、自分がやらなければという責任感を持ってやっている。全員がその能力を持っているからだ」
4月半ばの試合後の囲み取材で、ベッツはそう語っていた。意識は確実に変わっている。しかしそれは大谷に対するライバル意識というよりは、チームがさらに上に向かうために必要な意識改革なのかもしれない。

