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「帰ってこられたことが嬉しい」東京五輪で25年ぶり入賞も…パリ五輪「まさかの不出場」“天才ランナー”廣中璃梨佳(24歳)が日本選手権で復活のワケ 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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posted2025/04/19 17:00

「帰ってこられたことが嬉しい」東京五輪で25年ぶり入賞も…パリ五輪「まさかの不出場」“天才ランナー”廣中璃梨佳(24歳)が日本選手権で復活のワケ<Number Web> photograph by Satoshi Wada

2年ぶりに日本選手権1万mを制した日本郵政Gの24歳・廣中璃梨佳。1年近いケガでの離脱を克服しての復活ランだった

 ワールドランキングでのパリ五輪出場が濃厚だったにもかかわらず、右膝のケガに苦しみ、連勝中だった日本選手権を欠場。パリ五輪にも出場できなかった。さらに、仙骨の疲労骨折もあり、トラックシーズンをまるまる棒に振ったのだ。

 ようやく秋に復帰を果たし、昨年12月にはエディオンディスタンスチャレンジに出場。前年の日本選手権以来、約1年ぶりに1万mを走り切り「今年の中では一番楽しく走れたことが収穫」とコメントを残した。

 一方で、本人にとっては大きな収穫があったかもしれないが、タイム的には32分29秒74で6着と自己記録からは2分近く遅く、明らかにまだ本来のパフォーマンスではなかった。

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 ロードでも11月のクイーンズ駅伝(全日本実業団女子駅伝)で3区2位、今年1月の都道府県対抗女子駅伝で9区4位という結果を残した。並の選手であれば上々のパフォーマンスと言えるかもしれない。だが、廣中は駅伝で度々、爆発的な走りを見せてきた選手なのだ。復調傾向にあったとはいえ、本調子にはまだまだ遠いのは明らかだった。

相次ぐケガの影響は?…「天才」への期待と不安

 駅伝シーズンが終わり、マラソンシーズンに入れば、トラックレースはほとんどなくなる。そのため、廣中の仕上がり具合も外野からは未知数のままだった。とはいえ、今年9月には東京世界陸上という大舞台も控えている。そのためにはこの4月の日本選手権1万mで結果を出さなければならない。

「日本選手権で、廣中にブランクの影響は果たしてどれほどあるのか――?」

 多くの関係者がそんな懸念を抱える中で、勝負のレースは幕を開けた。

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#2に続く
24歳“怪物ランナー”廣中璃梨佳が日本選手権で「ただいまです!」のウラ話 五輪&世陸で入賞→ケガで長期離脱…でも「消えた天才」にならなかったワケ
この連載の一覧を見る(#1〜2)

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