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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
青学大“若の神”若林宏樹が日本選手権でラストラン…2周遅れもスタンドからは拍手「競技以上の熱意で業務に取り組みたい」引退後は保険営業マンに
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和田悟志Satoshi Wada
photograph by(L)Satoshi Wada、(R)JMPA
posted2025/04/16 06:01
見慣れたフレッシュグリーンではなく、4月に入社した日本生命のユニフォームで登場した若林宏樹。「若の神」第一線でのラストランの模様は…?
短距離の桐生祥秀が日本生命の所属で大会に出場しているが、これはスポンサー契約で、社内に陸上部があるわけではない。だが、若林の入社に合わせてか、今年サークルが立ち上がったという。
「ランニングイベントなどにはこのユニフォームやTシャツを着て、陸上競技に携わっていくことになる。何かしらのお手伝いをできたらと思っています」
陸上サークルが発足したとはいえ、会社員になった若林は毎日が研修だという。日本選手権を控えていても、もちろん社業が第一優先だ。
トレーニングは「空いた時間を見つけて…」
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「陸上をおろそかにしたわけじゃなくて、空いている時間を見つけながら自分なりにトレーニングをしたつもりなんですけど……」と言うものの、現実的にはほとんど練習はできなかったという。
4月中には保険募集人(生命保険や損害保険を販売する人)になるための試験があり、その勉強にも時間を費やしている。日本選手権の2日後にも損保の試験を控えていた。
準備万全で日本選手権に臨めたとは言い難い。だが、若林は無難なレースをするつもりはなかった。
「最初から遅いペースで淡々と走ることはできたんですけど、できるだけ(先頭集団に)付いていくレースを心がけていました」
最後尾に付けながらも、序盤は27分20秒に設定されたハイペースに食らいついた。結局、2000mを過ぎて遅れ始めてしまったが、これは現役最後の大きなチャレンジだった。

