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衝撃の“ドラフト指名漏れ”から3年…山田健太のいま「野球やめようかなと思いましたけど…」大阪桐蔭「最強世代」最後のプロ入りへ「何がなんでも」
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHaruka Sato
posted2025/04/14 11:05

日本生命で活躍する元大阪桐蔭高の山田健太内野手
指名解禁となった昨年10月のドラフト会議でもプロ入りの声はかからなかった。しかし、立大時代の「指名漏れ」とは心境が全く違ったと言う。
「去年はプロに行きたいと言えるような結果を残していませんでしたから。当日も普通に練習をしていましたし、2025年に向けてすでに気持ちは切り替えていた。大学4年の時とは全然違う状況でした」
「絶対にもうひと花咲かせたい」
昨オフは体づくりに励み、バッティングをパワーアップするためのトレーニングに注力してきた。今季からはチームの副キャプテンにも就任し、さらに増した責任感と共にプレーしている。
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「バッティングの軸を作るためにも、体づくりから取り組んできました。自分に求められているのは長打力だと思うので、さらにパワーアップしていきたいです」
プロ野球選手という夢は捨てていない。むしろその思いはより強くなっているという。
「もう山田はもう無理やろ、って思っている人もいるかもしれない。でも大学4年の時、ダメだった時から、応援し続けてくれている人たちがいて、そういう人たちを喜ばせたいという思いは強いです。周りにはプロ野球選手が多いし、同じ世界で活躍したい。必ずできると思っている自分もいる。絶対にもうひと花咲かせたいです」
柿木から受けた「引退報告」
昨年末には、大阪桐蔭時代のチームメートとじっくり話をする機会があった。忘年会で顔を合わせた横川(巨人)の近況報告に刺激をもらい、日本ハムから戦力外通告を受けた柿木からは直接、現役引退の報告を受けた。自宅に招き、「寂しいけど、よく頑張ったな」と労ったのだという。
高卒でプロ入りした4人の中で初めて、ユニフォームを脱ぐ仲間がいる。複雑な思いとともに、改めて大きな夢をしっかりと見据える。
「本当に今年がラストチャンス。何がなんでも、という気持ちを強く持ってやりたい」
今も高校野球史に燦然と輝く「最強世代」から、“大トリ”でプロ入りへ、死に物狂いで挑む一年の始まりだ。〈1回目、2回目も公開中です〉
