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MLBを席巻「魚雷バット」は“魔法のアイテム”なのか?「全員スイングスピードが上がったが…」じつは知られていない“本当の効果” 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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posted2025/04/10 11:06

MLBを席巻「魚雷バット」は“魔法のアイテム”なのか?「全員スイングスピードが上がったが…」じつは知られていない“本当の効果”<Number Web> photograph by Getty Images

ヤンキース打線の大爆発を契機に話題を独占する魚雷バット

 ESPNの報道によると、開幕シリーズで魚雷バットを使用したヤンキースの5人全員が前年比でスイングスピードが上昇したという。ボルピーは時速3マイル、ベリンジャーは2.5マイル、ウェルズは2マイル、チザムは1.1マイル、ゴールドシュミットも0.3マイルアップしており、あるいは大きいのはこの部分かもしれない。 

「とても理にかなったバットだ。(疑問点があるとすれば、)なぜ100年以上も誰も思いつかなかったのかだよ」

 昨年のプレーオフでもこのバットを使い、14試合で7本塁打を打ったジャンカルロ・スタントンのそんな言葉は魚雷バットの効果を物語る。特に最新のムーブメントの震源地がニューヨークだったがために、話は余計に大きくなった。4月1日のヤンキース対ダイヤモンドバックス戦の際にはニューヨークに大量のメディアが集結し、魚雷バットは開幕直後のメジャーリーグで最大のトピックになったのである。

魚雷バットの仕掛け人は物理学者?

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 実は以前から開発が進められていたという魚雷バットだが、ここでのブームの仕掛け人になったのは昨季までヤンキースのアナリスト&マイナー打撃コーチ補佐を務めたアーロン・リーンハート(現在はマーリンズのフィールド・コーディネーター)だった。

 現在48歳のリーンハートは名門マサチューセッツ工科大で物理学の博士号を取得。その後、ミシガン大学で教授も務めた後、2018年にヤンキースに引き抜かれたという珍しいキャリアの持ち主だ。新バットが生粋の野球人ではなく、物理学者からもたらされたというのはある意味で象徴的だったのかもしれない。革命的なものは、得てして発想の転換から生まれるものだからだ。

【次ページ】 ヤンキース監督「球団の努力の成果」

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