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「男とか女とか、関係ねえんだよ」単なる男女マッチを超えて…“里村明衣子と戦いたかった”鈴木みのる56歳の本音「キックもパンチも全部いてえよ…」
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/04/05 17:17
鈴木みのるをスリーパーホールドで絞める里村明衣子。4月3日、新宿FACE
「男とか女とか、関係ねえんだよ」
会見スペースで「一緒にコメント出そうよ」と、里村と並んでセルフィーを撮影する鈴木は嬉しそうだった。
「常日頃から言ってるんだよ。有名とか無名とか、強いとか弱いとか、男とか女とか、キャリアが何年だとか、関係ねえんだよ。向かい合ったら、敵だ。力でいったら力で返すんだ。(里村の話を聞いてから)どんなすげえんだろうって。こんな顔して、ちっちゃくて。出会うまでに何十年もかかったけどな。一緒に試合したこともあるしな。やめる前に1回くらい、1対1でオレから『お願いします』って」
里村が鈴木の後に続けた。
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「昔、長与(千種)さんに道場でさんざん練習して恥をかけ、練習しまくれって言われました。リング上は格好いいのを見せるところだからって。それなのに今日は昔の新人のように、練習の道場の中のようなことをリング上で技を仕掛けられて。この厳しさって絶対必要だなって思いました。全部つぶしてくださってありがとうございます。一生ついていきます。このままでいてください。ありがとうございました」
鈴木が控室に消えた後も、里村は話した。
「いや、全然だめですね。でも、最後ここまでやっていただいて感謝しています。イス? あそこまでやられて、久しぶりにキレましたよ。『見とけよ、鈴木みのる!』と思いましたよ。でも、やり返しても、やり返されるので。今日は、この姿を世の中の皆さんに見ていただいて、本当にありがとうございました。この厳しさって必要でしょう。この厳しさがなくなったら、もう私はプロレス界にいなくていいですよ。里村は厳しい、厳しいって言われてきましたけれど、もっと厳しい人がいる。でも愛情のある方だからついて行きたい。2011年、ここで高山(善廣)さんとも対戦させていただいた。その恩って絶対忘れない。私が引退した後は、胸が張れる状態でセンダイガールズのリングに鈴木さんにまた上がっていただきたいと思います」

