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“38年ぶりのワンマッチ興行”で後楽園ホールが超満員に…ウナギ・サヤカはなぜ歴史を変えられた? “カタブツ”里村明衣子も認めた「ウナギのすごさ」

posted2025/02/18 17:39

 
“38年ぶりのワンマッチ興行”で後楽園ホールが超満員に…ウナギ・サヤカはなぜ歴史を変えられた? “カタブツ”里村明衣子も認めた「ウナギのすごさ」<Number Web> photograph by Essei Hara

2月16日、ウナギ・サヤカと里村明衣子の後楽園ホール・ワンマッチ興行は24分21秒で里村が勝利した

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原悦生

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 1987年1月14日の藤波辰巳vs.木村健吾以来、後楽園ホールで38年ぶりのワンマッチ興行が2月16日に行われた。リングに立ったのはウナギ・サヤカと里村明衣子だ。

 チケットは売り切れで、当日は立ち見席が売られただけだった。1603人の満員。

「思ってたけどやらねえのがオマエら。やるのが私」

 これはウナギの歴史への挑戦状だった。「ワンマッチやってみれば」。この言葉は言ったこともあるし、聞いたこともある。でも、あれ以来、誰もやらなかった。理由はリスク回避だ。里村の引退発表を受けて、後楽園ホールを用意していち早く名乗りをあげたのがウナギだった。

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「今回、ワンマッチをやると決めて業界の人たちから『私たちがやろうと思っていたのに』と言われましたよ。ただ、思ってたけどやらねえのがオマエら。やるのが私、ウナギ・サヤカです」

 ウナギ節は“絶口調”だ。

「勘違いをわからせてやる。10分、いや5分持たないんじゃないか」と里村には言われたが、「強いのは里村、勝つのは私」とウナギは強気だった。そして、もし5分で終わってしまったら「物販でもやります」と開き直った。

 ワンマッチ興行はビデオ映像とリンクした清野茂樹アナウンサーの前説で始まった。文化放送の『ウナギ・サヤカの査定してやるよ~!』という番組でウナギのお供をしている清野アナは、「(ウナギの)言葉に不思議な力がある」と話していた。

 このワンマッチで「女子プロレスの歴史を変える」とウナギは豪語した。ウナギは38歳だが、プロレスラーとしてのキャリアは6年しかない。

 そのデビュー戦の日、「鬼に出逢った」とウナギは言う。今でも里村のことを「鬼だと思っている」。

「常識がないけれど、一番最初に声かけてきたから。若い選手に響くんですよ。試合で対戦してみないとわからないので、その先を見てみたい」(里村)

「堅物メイメイちゃん、楽しみにしててください」(ウナギ)

【次ページ】 「何があっても、大きい夢を見て、大口叩いて…」

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