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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「名波浩コーチは日本代表で何を教えているの?」最速W杯決定の“縁の下の力持ち”コーチ陣の役割とは…「CKはクラブより代表がやりやすいくらい」
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/03/30 17:00
伊東純也とともに、現在、主にコーナーキックを蹴っている久保建英。今の代表のコーナーキックのデザインはカタール後に加入したコーチ陣の働きが大きい
この事実について森保監督は「セットプレーだけでなく、オープンプレーもこだわってやっていますが、前田コーチが中心になって攻撃の部分で選手と共有してくれて、その成果が表れている。逆にセットプレーの守備も無失点で来ているので、そこは下田コーチがどう守備をすべきかを選手に伝えている成果だと思います」とコーチ陣の働きを称えている。
クラブよりもデザインされたCK
コーナーキックのキッカーは久保建英、伊東が主に務めているが、7節のバーレーン戦で久保が選択したショートコーナーを除けば、ゴールにつながったのはいずれもアウトスイング(ゴールから遠ざかる)の軌道だ。相手の守備のどこにスキが生まれるのかがチームで共有されており、キッカーはどこにどういう質のボールを届ければいいのか、そして受け手はどこにポジションを取ればいいのかが整理されている。チームで最多の14アシストをマークしている伊東は言う。
「自チームで蹴っているというのもありますけど、自チームより代表の方がデザインされていて決めやすいなと。良いところに蹴れば決めてくれるというのがあるので。この前のタケ(久保)のショートコーナーでアシストがついたのもそうですけど、デザインがうまくいっているというのはありますね。
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トップレベルになってもセットプレーは本当に大事になってくるので、そこでゴールできればデカいですし、相手にやられないこともそうですけど、セットプレーで1点を取れれば流れが来ることもある。そういう部分は大事だと思います」
デザインの前提となる部分で前田コーチの貢献は極めて大きい。
こうして新たなコーチの力を生かす形でチームは進んできたが、最終予選がスタートする2024年9月からもう一人、新コーチが加わった。昨シーズン限りで現役を引退し、フランクフルトでU−21アシスタントコーチを務める長谷部誠だ。兼任する形でインターナショナルウインドウの期間だけ日本代表の活動に参加することになったのだーー。
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